永山絢斗と田畑智子、大胆な性描写にも果敢に挑戦!『ふがいない僕は空を見た』映画化でダブル主演!
2011年本屋大賞第2位に選ばれ、第24回山本周五郎賞を受賞した窪美澄の「ふがいない僕は空を見た」が映画化され、永山絢斗と田畑智子がダブル主演を務めることが10日、明らかになった。同原作は、人間の「性」と「生」に真っ向から挑んだ作品で、大胆な性描写も含んだ衝撃作。永山と田畑は、一回の情事からその行為を日常的に重ね、惹かれあう男女の顛末(てんまつ)を果敢に体現している。
本作のメガホンを取るのは、ダメ男に振り回されるヒロインをパワフルに描いた映画『モル』で鮮烈デビューを飾り、『タカダワタル的』『百万円と苦虫女』『俺たちに明日はないッス』などの意欲作を発表してきた気鋭・タナダユキ。多数の文学賞を受賞した原作ゆえ、映像化のオファーは実に30件以上にものぼったというが、タナダ監督が撮ることが決め手となり今映画製作が実現した。公開は来年秋を予定。永山にとっては2010年の『ソフトボーイ』以来、約2年ぶり2回目、田畑は2008年の『哀憑歌 ~CHI-MANAKO~』以来、約4年ぶりの映画主演となる。
元いじめられっこ同士で結婚したあんずと名乗る主婦・里美(田畑智子)と、助産院を営む母子家庭で育った一人息子の高校生・卓巳(永山絢斗)の出会いから物語が展開する『ふがいない僕は空を見た』。里美(あんず)は姑から子作りを執拗に求められ、不妊治療や体外受精を強要される日々を送っており、心のよりどころであるアニメや趣味のコスプレがきっかけで出会った卓巳と情事を重ねていく……。妊娠や出産など人間の「性」と「生」を女性監督ならではの視点で温かく描きながらも、誰もが抱える心の闇や行き場のない思いなど、登場人物の苦悩や葛藤が赤裸々に映し出される群像劇である本作は見ごたえたっぷり。
監督自身、「体全体で表現してもらわないといけない難しい役」と表現する里美(あんず)役に田畑を抜てきした理由は、「里美(別名あんず)の抱える闇の深さを体現できる女優さんは田畑さんしかいないと思った」と熱烈ラブコール。田畑のデビュー作で、少女から大人へと変化を遂げるさまを好演した1993年公開の『お引越し』(相米慎二監督)からファンだったと語ったタナダ監督だが、実際に仕事をしてみて「女優という仕事に対する覚悟がある人だと常々感じていたが、実際に会ってみると、その通りというよりそれ以上の人だった」とベタ褒め。称賛された田畑は「とてもやりがいのある女性」だと難役を受けて立ち、「今までに経験した事のない設定や思いや感情がたくさん溢れていてワクワクドキドキです」と新境地を期待させた。
一方、永山については「おそらく彼自身が持っているであろう繊細な部分が、主人公の卓巳にぴったりだった」「彼なら10代の複雑な感情を表現できると思った」と自信を持って起用理由を明かしたタナダ監督。永山自身は「主人公・卓巳のおかれた環境や考え方が面白いと思いました」と興味を示し、「周りを取り巻く人たちの内面や人間くささが魅力的だと思いました」と見どころをアピール。卓巳の母には原田美枝子がふんし、卓巳の同級生で痴呆症の祖母の面倒を見ながら極貧生活を送る福田役に、映画『十三人の刺客』などの窪田正孝。そのほか三浦貴大も出演。さまざまな出来事や思いを乗り越え再生する人々の姿を描く本作に、目を奪われること必至だ。(編集部・小松芙未)
映画『ふがいない僕は空を見た』は2012年秋、全国テアトル系にて公開