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青木崇高、「極限状態のパワーを感じた」と振り返る軍人役に自信!役者としての熟達を見せる!!

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青木崇高
青木崇高

 NHK総合で12月10日に放送される土曜ドラマスペシャル「真珠湾からの帰還 ~軍神と捕虜第一号~」に主演した若手実力派俳優の青木崇高が、彼の新たな代表作と呼ぶべき本作について熱く語った。

 本作で青木が演じたのは、「甲標的」と呼ばれる小型潜水艇に乗り込み、真珠湾攻撃に出撃することになる酒巻和男少尉。捕虜になるくらいなら潔く死を選べと教育されてきた彼は、9人の仲間たちが戦死したにもかかわらず、一人生き残った罪悪感に悩まされることになる。劇中では、追い詰められれば追い詰められるほどに、(土ほこりなどで)薄汚れ、ダラダラと汗が流れ落ちる青木演じる酒巻の顔、青木の徹底した役づくりが、観客に強い印象を残す。「人の内面というものは、見た目にも表れてくると思うんです。普通から見たら強烈すぎるくらいに汗が出ているように思うかもしれませんが、戦時下という普通とは違う状況に置かれた不安な感じを、その汗などによって効果的に出すことができたんじゃないかと思います」と自身の役づくりを振り返り、自信を見せた。確かに、本作で青木が見せた気迫に満ちあふれたギラギラ感は、酒巻少尉の焦燥感や、悔恨(かいこん)の情を雄弁に描き出している。

 1941年の日米開戦から70年がたち、戦争の記憶が日々失われてきている現在。軍人役にリアリティーを持たせるため、プロデューサーや監督から「丸刈りにならない役者はキャスティングしない」と言われたことを明かす青木だが、「別に丸刈りになることには何の問題もありませんね」とこともなげに答える。「丸刈りにすることで、気合も入ります。(戦時下の)勇ましい男になるために丸刈りになる。(軍人を演じるのに)髪の毛が長い方がおかしい」。そんな思いは、キャストだけでなくスタッフにも共通していたようで、現場には、画面には映らないにもかかわらず、丸刈りにしたスタッフもいたという。そして、そんな現場の熱さは、そのまま作品が持つ“熱さ”につながった。

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 本作の完成試写の後に行われた記者会見で、本作への思い入れの強さのあまり大粒の涙を見せた青木。酒巻少尉のお孫さんにも、本人に雰囲気がそっくりだと言われたという青木は、本作への思い入れを、「役者として参加した気がしない。一視聴者として、画面に酒巻さんがいたなと感じられたんです。自分の体を通じて、当時の酒巻さんの感覚を感じさせてもらい、(生きるか死ぬかの)極限状態のパワーを感じることができました。(今回の撮影はすごく)大変でしたけど、すごく人間らしく生きることができました」と晴れ晴れとした表情で語った。

 青木が「戦争を題材にしているが、現代に通じるドラマだ」と断言する「真珠湾からの帰還 ~軍神と捕虜第一号~」。「歴史は現在につながっているものですからね。もちろん70年前の出来事なので、(当時のことを知る)ご存命の方もいらっしゃるでしょうし。僕の祖母は95歳なんですが、ぜひとも観てもらわないと。(戦争を知っている)その世代だからこその意見を聞いてみたいです」とコメント。その表情は、本作が「ちりとてちん」や「龍馬伝」などに続く、彼の新たなる代表作となることを確信させた。(取材・文:壬生智裕)

土曜ドラマスペシャル「真珠湾からの帰還 ~軍神と捕虜第一号~」は12月10日夜9時よりNHK総合で放送

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