伝説的SFのヒーロー、ジョン・カーターを演じた男、筋肉づくりが過酷すぎて「僕の筋肉も特殊効果で作ってほしい」と懇願!?
ウォルト・ディズニー生誕110周年記念作品映画『ジョン・カーター』で滅亡の危機にひんした惑星を救う男ジョン・カーターを演じたテイラー・キッチュが来日、作品への熱い思いや役づくりの裏話を語った。
本作は『アバター』にも影響を与えた伝説的SF小説を映画『ファインディング・ニモ』『ウォーリー』のアンドリュー・スタントン監督が映画化したアクション・アドベンチャー。愛する家族を失ったジョン・カーターは未知の惑星「バルスーム」に迷い込んでしまう。惑星の住民たちと心を通わせるようになった彼が、「バルスーム」を救うために戦い、心の傷と向き合っていく姿をダイナミックな映像で描き出した超大作だ。
主役のジョンに大抜てきされたのは映画『ウルヴァリン:X-MEN ZERO』のガンビット役で注目を集めたテイラー・キッチュ。「こんな大作に出られるのは名誉なこと。決まったときはプレッシャーを感じたよ」と語る彼は「スタントン監督と会ったとき、絶対一緒に仕事をしたいと思った」と振り返る。「そのためなら何でもしようと思ったよ。監督が制作に取り掛かるのと同時に、オーディションの準備を始めたんだ」というだけあり、役づくりにも相当力を入れたようだ。「ジョンは大切な人を守るために戦争に行った。でもその戦争で多くのものを失ってもいる。その気持ちを表現するために、実在の兵士たちが愛する人に送った手紙を読んで内面を理解するようにしたよ」と語る。仕事に関しては「自分のやれることは全部やってみるタイプ」というキッチュ。オーディション後は「ダメでもやれることは全部やったから満足」だったそうだ。
作品の見どころの一つは、スタントをほとんど使わずに演じたアクションシーン。そのために撮影開始の半年前から準備を始めた彼は、「狂ったようにワークアウトをしたよ! 撮影中もダイエットを続けていたし、朝4時に起きてトレーニングしたんだ。撮影直前も腕立て伏せやウエイトトレーニングをしたしね。フルマラソンを走っているようなハードな撮影だった」という。そのハードさは彼自身が「ワークアウトしないで済むよう、僕の筋肉も特殊効果で作ってほしいと監督に懇願したんだ」とジョーク交じりに語るほど。過酷なトレーニングで鍛え上げられたボディーとキレのあるアクション、そしてジョンの喪失感を表現する繊細な演技に「僕自身も映画の完成版を楽しみにしている」と胸を張るキッチュ。俳優として大きな一歩を踏み出した彼の今後の活躍に期待したい。(取材・文:長坂陽子)
映画『ジョン・カーター』は2012年4月13日(金)より2D・3D同時公開