オーソン・ウェルズが、1941年に制作した不朽の名作『市民ケーン』のオスカー像がオークションにかけられることに!
映画界に多大な足跡を残したオーソン・ウェルズが、1941年に制作した不朽の名作『市民ケーン』のオスカー像がオークションにかけられることがCNN.comによって明らかになった。
これは映画『市民ケーン』でアカデミー賞9部門にノミネートされたにもかかわらず、唯一オリジナル脚本賞を受賞したオーソン・ウェルズのオスカー像で、今回再びオークションにかけられることになった。オーソン・ウェルズは、同作をわずか25歳の時に監督し、その映画の撮影手法、脚本構成、音響効果は後年の映画人に多大な影響を与えた。さらに2007年にAFI(American Film Institute)が選考した歴代のベスト作品でも1位に輝いている金字塔作品。
ただ、これまでこのオーソン・ウェルズのオスカー像は、映画のようなドラマティックな経緯をたどっていて、しばらく紛失していた時期があったり、ウェルズの死後には撮影監督がオーソン・ウェルズから同オスカー像をもらったとして、1994年にオークションにかけられそうになったが、ウェルズの娘ベアトリスがそのオークションにストップをかけただけでなく、そのオスカー像を再び家族のもとに戻すことになる。だが、その彼女自身も2003年のオークションに出展しようとして、オスカー像の保護のために映画芸術科学アカデミーと裁判沙汰になったことがあった。その時は、オーソン・ウェルズは以前に彼の死後のオスカー像の所有権について、何らかの契約を交わしていなかったため、再びオークションを許可するという判決が下されていた。
ちなみに、20007年にも同オスカー像はオークションにかけられたが、その時は指定された金額に届かず、購入者がいなかったそうだ。今回はおよそ60万ドル(4,620万円)から100万ドル(7,700万円)の競売価格で競り落とされるとみられている。
このオスカー像のオークションは、12月20日に行われる。 (細木信宏/Nobuhiro Hosoki)