ジャック・ケルアック、マーロン・ブランド宛に「路上」の映画化を熱望する手紙を出していた!
ビート・ジェネレーションの作家ジャック・ケルアックが、マーロン・ブランドに宛てて、代表小説「路上」の映画化を熱望する手紙を出していたことがわかった。
ウェブサイトHuffingtonpost.comによれば、手紙は1957年に書かれたもので、2005年に収集品のプロの手により発見され、最近オークションのクリスティーズで落札されたという。手紙の中でケルアックは、「路上」の映画化権をブランドに買わないかと売り込んでおり、撮影のアイディアや自分自身もブランドとともに映画で共演したいという思いを綴っている。
「路上」は、ケルアックが29歳のときに自身のアメリカ放浪体験を下敷きに書いた自伝的小説で、57年に出版され、世界中の若者、特にヒッピー世代に熱狂的に支持された。
手紙は、「ぜひ君に『路上』の映画化権を買って映画にしてほしい」と単刀直入な書き出しで始まっている。また、「車を走らせるサルとディーンが楽しげにおしゃべりする中、フロントシートにくくりつけられたカメラが、フロントガラスの向こうの道を映し出していく美しいショットが目に浮かぶ」と撮影イメージを膨らませてもいる。さらに、「君がディーン役で僕がサルだ。ディーンが実生活でどんな風に振る舞っていたか教えてあげるよ」と、すでにキャスティングのアイディアまで伝えていた。
ディーン役のモデルになったのは、ケルアックの友人でビート作家たちと親しく交流し、メキシコの路上で裸で最期を迎えたニール・キャサディだ。
結局、ブランドはケルアックの申し出を断っているが、「路上」(英語タイトルは『オン・ザ・ロード(原題)/ On the Road』は今年ついに映画化されることになっている。監督は映画『ダーク・ウォーター』のウォルター・サレスで、サル役に映画『ロシアン・ルーレット』のサム・ライリー、ディーン役に映画『トロン:レガシー』のギャレット・ヘドランドに加え、クリステン・スチュワート、キルステン・ダンストの出演が決まっている。(鯨岡孝子)