ジョージ・ルーカス監督、ハリウッドの黒人映画への理解のなさに物申す
ジョージ・ルーカス監督が私財を投じ、ルーカス・フィルムで製作を進めた新作映画『レッド・テイルズ(原題) / Red Tails』について、製作に20年がかかったのはハリウッドの黒人映画への理解のなさが原因だと語っている。
実話をもとに、第二次世界大戦で戦ったアフリカ系アメリカ人のパイロットたちを描く本作は、ルーカス監督が共同脚本と製作、アンソニー・ヘミングウェイ監督がメガホンを握った。アメリカのテレビ番組「ザ・デイリー・ショー」に出演してインタビューに答えたルーカス監督は、ハリウッドの大手スタジオは黒人キャラクターばかりの映画には意欲的でない、とコメント。「どのスタジオからも、こういう映画をどのように売り出すべきかわからない、と言われたよ。海外のマーケットで売れるという考えはなかったみたいだ。実際は利益の60%が海外からなんだが」と語った。
ハリウッド・リポーター紙によると、ルーカス監督は自身の財産5,800万ドルを本作の製作に投じ、さらに配給にかかる費用にも3,500万ドルを投じたという。映画には、オスカー受賞歴もあるキューバ・グッディング・Jr.や、テレンス・ハワード、R&Bシンガーのニーヨなど、有名俳優やミュージシャンも出演しているが、ルーカス監督は、「白人の主要な登場人物がいない」ことがハリウッドの大手スタジオを躊躇させた、とコメント。「この映画は金がかかっているほうだ。通常、黒人映画はとても予算が低いものだがね」と語った。
またルーカス監督は、もし本作が興業的に成功すれば続編や前章譚となる映画の製作も考えていると語った。(竹内エミコ)