中島らもさんしのび、300本のちくわ投げ 勝村政信、嶋田久作らしみじみ…
25日、テアトル新宿にて、2004年に亡くなった作家・中島らもさんをテーマとした映画『らもトリップ』の初日舞台あいさつが行われ、出演する小島藤子、嶋田久作、勝村政信、中野裕之監督らが登壇、全員が中島さんの思い出をしみじみと語ったほか、中島さんをしのび、恒例のちくわ投げを登壇席から行った。
本作は、中島さんの短編小説を映画化したフィクションパートと、著名人が中島さんを語る、ドキュメンタリーパートで構成された作品。フィクションパートは東京芸術大学大学院映像研究科の生徒によるもので、同大学院生でプロデューサーの佐藤宙信さんが中島さんのファンであったことから映画化が実現。学生からの依頼でありながら、共感した商業映画のプロたちが続々と参加した。
「らもさんは僕の結婚式の仲人でした。30年前なんですけど。そんな人の話を断るわけにもいかず本作を受けました」と中野裕之監督。生前、中島さんの劇団のファンだったという勝村も「毎回舞台を見に行きました。著作もたくさん読んでいます。話が来たときは、喜んで受けさせてもらいました」と中島へのリスペクトから本作に参加したことを口にした。
一方、生前本人と面識はなかったという嶋田は、「テレビのコメンテーターとしてテレビに出ているとき、空気を全く読まずに好き勝手しゃべる姿を見て、『ああいい人だな』と思いまして」と笑顔で語る。また現在18歳で名前でしか中島さんを知らなかったという小島も、「お父さんがファンで、お父さんに自慢してやろうと思って出演しました」と明かした。その後舞台あいさつは、登壇者が口々に中島の人柄などをしみじみと振り返るなど、中島さんの人柄をしのばせるものに。最後は、中島さんが恒例としていたちくわ投げを再現。カネテツデリカフーズの用意した300本のちくわが客席に舞っていた。(取材・文 名鹿祥史)
映画『らもトリップ』はテアトル新宿にてレイトショー上映中のほか全国順次公開予定