尾木ママ、小中学生の“留年”には否定的!「コンプレックスで学校に通えなくなる子どもも出てくる」
1日、大阪市・橋下徹市長の「留年」を盛り込む教育改革に異議を唱えていた尾木ママこと教育評論家の尾木直樹がアニメーション映画『虹色ほたる ~永遠の夏休み~』のトークショーに出席し、その後行われたマスコミ取材で改めて同教育改革に対して否定的な見解を示した。
大阪市・橋下市長が提案した、小中学校への留年導入。これに反対する姿勢を示していた尾木ママは、「国際的にも学力の向上は必要」とした上で「どういう学力をどう上げるのかが問題」と反対理由が方法論の違いであることを説明した。
続けて尾木ママは「留年してでも学力をつけていこうというのは世界の常識。でも、今の状況ではいじめが起きたり、コンプレックスで学校に通えなくなる子どもも出てくると思う。脱ゆとり教育によって今は極端に詰め込み式教育になっていて、勉強についていけず丁寧に勉強をしたがっている子どもがいるんです」と子どものことを考えた改革の必要性を訴えた。
そうした状況を踏まえて、「制度としての留年ではなく、子どもがもう1年留まりたいと思えば、認めるというふうに『どの子どもにも学力を保障するよ』というふうにしたらいい」と持論を展開した。
本作は自然の中で成長をする子どもたちの姿を描いた感動作。尾木ママは本作の描写と教育を重ね合わせ、「子どもに必要なのは子ども同士の触れ合いや自然との触れ合い。競争し合って学力を広げるのも100パーセント間違いではないけれど、土台となる前提が必要。橋下市長がそこに気付いてくだされば」とコメント。「教育に対する愛情は同じなので、きっとわかってくださると思う」とメッセージを送っていた。(取材・文:中村好伸)
映画『虹色ほたる ~永遠の夏休み~』は5月19日より全国公開