水谷豊&伊藤蘭、28年ぶり共演&夫婦初共演で夫婦役「少年H」映画化決定!!
水谷豊と伊藤蘭が28年ぶりの共演、夫婦としては初共演で夫婦役を務め、累計発行部数340万部を超えた妹尾河童の自伝的小説「少年H」が映画化されることが発表された。水谷と伊藤が共演するのは、1983年から1984年まで放送されたテレビドラマ「事件記者チャボ!」以来。1989年に結婚してからこれまで再共演のなかった二人が、夫婦として初共演で、夫婦役を務めることになった。
これまで映画化したいというオファーを断り続けていた原作者の妹尾。その牙城を崩したのは、「何回読み返しても、この父親役をやるのは、僕だと思いました」という水谷の思いだったという。「実は、(水谷が)僕の父親に似ている」と感じていた妹尾は、母親の敏子役に伊藤が決まったことを聞き、「映画の中の『Hの家族』が見えてきた。思わず『最高の配役だ』と歓声を上げた」「映画化された『少年H』を僕も早く観たい」という思いとなったことを明かす。
一方の水谷は、夫婦共演が実現したことについて、「『少年H』の力」と一言。伊藤は「これまで想像もできなかった夫婦共演ですが、30年という月日を経て、また共に一つの目標に向えるということは、大きな喜びです」とコメントを寄せている。二人が務めるのは、戦前戦後の激動の時代に、周囲に翻弄(ほんろう)されることなく、「なんで?」「おかしい」と問い続けた少年・肇の両親役。水谷は肇にしっかりと現実を見ることを教える洋服仕立て職人の父・盛夫を、伊藤は優しさあふれるキリスト教徒の母・敏子を演じる。
本作のメガホンを取るのは、映画『鉄道員(ぽっぽや)』など、数々の高倉健とタッグを組んだ作品でも知られる降旗康男監督。脚本は、映画『ALWAYS 三丁目の夕日』シリーズの古沢良太。まさに最高の布陣での映画化となった「少年H」は、物語の舞台となる神戸、そして茨城の広大なオープンセット、千葉、静岡など全国各地で大規模ロケを敢行。また、空襲で焼け野原と化した神戸を再現するため、韓国ハプチョンにもロケセットを組み、5月1日よりクランクイン。6月末のクランクアップを目指して撮影される。
「少年H」は妹尾が、阪神淡路大震災の1周期、1997年1月17日に、神戸への復興の思いを込めて世に送り出した「戦前戦後という激動の時代を、主人公となる名もなき『家族』が必死に健気に乗り越えていく姿」(水谷)を描いた作品。「『戦争』という避けることの出来ない困難を前にしても、自己を見失わず地に足をつけて生き抜いた『少年H』にとても感銘を受けました」。降旗監督が「この時代だからこそ、家族で観てほしい映画」を目指して制作するという本作は、現代の日本に一筋の希望の光を照らし出してくれることだろう。(編集部・島村幸恵)
映画『少年H』2013年夏全国公開