満島ひかり、女優意識を深めた葛藤と開眼を語る 戦後の人々を描く「開拓者たち」完成試写会
13日、女優の満島ひかりが主演を務めたNHKのドキュメンタリードラマ「開拓者たち」の完成試写会に出席し、撮影中の葛藤、そして「こういうのが役者の仕事なんだ」と撮影を終え大きな達成感があったことを語った。
本作は戦前から戦後を舞台に、旧満州から過酷な逃避行を経て帰国した人々が、日本で新たな農地開拓に挑む姿を描いたドラマで、今年1月にNHK BSプレミアムで放送され好評を博したことから、再編集を施し4月からNHK総合テレビでも放送されることが決定した。
史実を基にしたドラマである本作だが、再編集版では実際に那須で開拓にあたった人たちに満島がインタビューを行い、その映像が冒頭に組み込まれているのが特徴。満島は「皆さんが持っているたくさんの気持ち、心からの気持ちを映すことができるのか、本物の気持ちが伝わるのだろうか」と思ったといい、「カメラの前で話を聞くのはすごく嫌だった」と当初の心境を振り返る。
しかし、インタビューや現地の人々と交流を進める中で「少しでもここで生きた人たちの気持ちをすくって映すことができれば」と気持ちに変化が生まれた。また「それを伝えていくのが役者という仕事なんだ」「しっかり役者の仕事をやっていこう」と本作が自身にとって女優として自覚を深める大きな作品になったようだ。
過酷な体験を経験者たちから直に聞いた満島は、「撮影を終え達成感がありホッとしたけど、何もできていない気がします」とも話したが、自身が作品について語った「生命力」や生きる強さを感じさせる演技で、試写会では涙する人の姿も見られた。(取材・文:長谷川亮)
ドキュメンタリードラマ「開拓者たち」は4月3日から5月8日までNHK総合テレビにて毎週火曜日放送(全6回)