宮崎あおい、役所広司に「色気を感じる」
19日、丸の内ピカデリーにて、映画『わが母の記』の完成披露試写会が行われ、宮崎あおいが父親役を務めた役所広司について、「色気を感じる」と絶賛した。
宮崎、役所のほか、出演者の樹木希林、ミムラ、菊池亜希子、原田眞人監督が登壇したこの日のイベント。宮崎は父親役の役所の印象を聞かれ、「役所さんからは色気を感じることがすごく多い。親戚のおじさんみたいな感覚があるので、ご一緒できてうれしかったです」と褒めちぎって役所をデレデレにした。すると、樹木が口を挟み、「おばあちゃん(自分)にはそんなこと感じられない」と毒舌を発揮し、役所はたじたじとなった。
さらに樹木は、現在公開中の映画『マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙』を引き合いに出し「鉄の女・サッチャーに負けないように」と打倒メリル・ストリープを宣言。その後も饒舌(じょうぜつ)に会場を沸かせていた樹木だったが、マイクの音声が入らなくなるという突然の事態が起こると、「しゃべるなってことでマイクを止められました」とハプニングさえもネタに変えていた。
そんな樹木から、宮崎は撮影現場で多くの感銘を得たそう。老いていく女性を演じた樹木を「若いころのシーンだとシャキッとしていたのに、おばあちゃんになると体が小さくなって顔も変わる。体のサイズまで変わるのはすごいこと。そばで見られたのはいい経験でした」と感動しきり。
最後は役所が、本作のクランクアップが東日本大震災の前日だったことに触れ、「この作品には緑も水も、日本の美しい風景が映っている。ぜひ美しい日本を楽しんでください」と締めくくった。
『わが母の記』は、小説家・井上靖の自伝的小説「わが母の記」を映画化した家族ドラマ。長年距離を置いてきた母と向き合うことになった小説家が、老いて記憶をなくしていく母からとある真実を聞かされることで、再び家族の愛ときずなに気付く感動の物語。第35回モントリオール世界映画祭の審査員特別グランプリを受賞し、第16回釜山国際映画祭のクロージング作品にも選ばれるなど、世界で称賛を受けている。(肥沼和之)
映画『わが母の記』は2012年4月28日より全国公開