仲村トオル、冤罪事件をテーマにしたドラマ「推定有罪」に苦悩!「今でも確信が得られない」
WOWOWの連続ドラマW「推定有罪」で主演を務める仲村トオルが、作品に取り組んだ日々を振り返った。同作は実在の冤罪事件に着想を得て、制作された社会派ヒューマンドラマ。2009年に放送された「空飛ぶタイヤ」と同じチームでの仕事を楽しみにしていたという仲村だが、待っていたのは苦悩の日々だったという。
というのも、仲村が演じた加山は、12年前になぜ誤報を書いてしまったのかを探るため、検証記事を書くことで過去の自分と向き合うという複雑な役どころ。その上、脚本にはト書きがほとんどなく、撮影ではそのセリフが発せられる前に何をしていたのかを考えるところから始めなければならなかったのだとか。
加山の置かれている状況や心境について監督と一つ一つ話し合いながら撮影を進めたが、「これが正解なんじゃないかという手応えがないまま、ずっとやっていました」と今でも自分の演技に確信を得られない様子だ。それでも、作品の持つメッセージや、登場人物たちの心情については、「これは、取り返しのつかないものを取り返そうとしている人たちの話。そうすることで、前に進もうとしているんですよね」と大いに共感する。
さらに、黒木瞳、國村隼、陣内孝則といった10年以上も前から知っている先輩たちにも助けられた。「監督がカットと言わない限り芝居をやめない人がそろっていたので、そうなると段取りが崩れてそのシーンが生々しくなるのも面白くて」。そう語る仲村の顔には、充実感がみなぎっていた。
震災後、「『この1時間、観てよかった』と思われるようなものを作らないとダメだよな」と強く思うようになったという仲村。その姿勢が自らに高いハードルを課し、現場を活性化させていたことは容易に想像がつく。その結晶がどんな反響を巻き起こすか、今から楽しみだ。(写真・文:小島弥央)
連続ドラマW「推定有罪」は3月25日夜10:00よりWOWOWプライムで放送開始、第1話無料放送(全5話、毎週日曜日)