黒人少年の殺害をめぐり、ウィル・スミスの名をかたる偽ツイッター
今年2月、フロリダ州で不審者の立ち入りに警戒していた自警団の白人男性が黒人の少年トライヴォン・マーティンさんを射殺するという事件が起きたが、この事件に関し、ウィル・スミスの名をアカウントに使ったツイッターが出回り、これをさらに引用したリツイートが広がっている。
事件は、当時17歳の黒人少年トライヴォンさんが、地域の警戒にあたる自警団の白人男性、ジョージ・ジマーマン氏に射殺されたというもの。トライヴォンさんを不審として警察へ連絡したジマーマン氏は、手を出さず警察の到着を待つよう指示されたが、それを待たずにトライヴォンさんに近づき射殺したという。トライヴォンさんは武器を持っておらず、コンビニへ行った帰りだった。その後、警察は「正当防衛」というジマーマン氏の言い分を聞いて無罪放免としたため、批判が集まっていた。
問題のツイートは、 ウィルの写真がついた「RealWillSmith」というアカウント名で出回り、「キム・カーダシアンに粉をかけた女の子はその場でつかまって、トライヴォン・マーティンを殺した犯人は今も自由の身だ。僕たちはそんなアメリカという国に住んでいる」と語っている。このツイートには、スパイク・リー監督や女優のロージー・オドネルらが引用してリツイートしており、有名人の名を使ったウイルス効果となった。
実際には、このツイートはウィルがしたものと確認されず、さらにウィルが自身のツイッターアカウントを所有しているかも知られていない。トライヴォンさんの殺害に関しては、このほかにも「RealFerrelWill」というウィル・フェレルの名を使ったアカウントでも、人種差別に反対する基金に募金を呼びかけ、こちらも数百人がリツイートしている。(竹内エミコ)