大友克洋の原画展、「AKIRA」の全原画2300枚が一般公開
漫画家の大友克洋の原画展「大友克洋GENGA展」の内覧会&オープニングパーティが7日、千代田区にある3331 Arts Chiyodaで行われた。
「AKIRA」「童夢」など代表作を含む3,000点近くの手描きの原画の展示をはじめ、「AKIRA」に登場する主人公金田正太郎の乗る真っ赤なバイクのレプリカや、「童夢」に登場する丸くめり込んだ「童夢の壁」が再現され、撮影可能スペースとして開放された他、新作アニメーション「火要鎮」の試写や、大友自身も参加してのパーティなどが行われ、会場は多くのプレス関係者、クリエイター、ファンなどで賑わった。
デビュー39年、20年ぶりの画集「KABA2」の発売を節目に、その偉大な足跡をまとめようという機運が高まり企画された今原画展。実は震災チャリティー企画としての側面も持つ。宮城県出身者として知られる大友は昨年3月11日の東日本大震災に対し、「漫画家に何ができるのか」を考え、自身主体となって、今原画展の開催を思いついたという。原画展は4月9日から5月30日まで同会場で行われるが、来場者収益の30パーセントが被災地復興のため寄付されることが決まっている。
会場で展示されている原画の見所はなんといっても2,300枚に及ぶ「AKIRA」の全原画が公開されているところだろう。展示会場の三部屋に渡って展示されているその原画群は、コミックを見るだけでは味わえなかった、大友の作家としての息づかいや、気迫すら伝わってくるような内容で、ファンにとっては見逃せない展示に違いない。
他にも短編集などのモノクロ原稿、画集「KABA」のカラー原稿も展示され、さらに原画の展示ルームを抜けると、一般入場者の撮影可能なスペースが設けられており、そこには金田のバイクのレプリカや「童夢の壁」が再現されている。超能力で人の形ではなく、丸く円形にへこんだ「童夢」のこの壁の描写はあまりにも有名だが、この壁の前で一緒に記念撮影をすることも可能。この日会場を訪れた来場者もこぞって、バイクや壁の前での記念撮影を楽しんでいた。
(取材・文 名鹿祥史)
「大友克洋GENGA 展」は4月9日から5月30日まで3331 Arts Chiyodaにて行われる。