樹木希林、外国人記者を前に堂々会見!『おくりびと』に続いて米アカデミー賞獲得の可能性大?
18日、有楽町の日本外国特派員協会で映画『わが母の記』の記者会見が行われ、役所広司、樹木希林、原田眞人監督が外国人記者の質問に答えた。井上靖の自伝的小説を映画化した本作は、第35回モントリオール世界映画祭で審査員特別グランプリを受賞。その後も世界各国の映画祭に出品され、絶賛の声を受けている。
それを受けて行われた今回の試写会は、日本外国特派員協会の主催。映画を鑑賞したばかりの外国人記者たちの前に立った樹木は、「2011年の3月10日にクランクアップして、その次の日に津波がありました。映画をモントリオールに持って行ったときに言われたのが、『あんなに美しかった国なのに、今は原発で……』という言葉。もちろん哀れみもあったでしょうが、優しいまなざしで頑張れという気持ちを受けました。今日の皆さんのまなざしも同じように感じます」とあいさつ。
会見では、「アカデミー賞外国語映画賞に選ばれる自信は?」と質問された原田監督が「僕はこの業界で好感を持たれていないので、どうでしょう?」と冗談交じりにコメント。すると樹木も、「わたしの婿(本木雅弘)が出た『おくりびと』という映画は外国語映画賞をちょうだいしていますが、そういうことは頭にありません。ただ、わたしも好感をもたれていない役者なので難しいのではないでしょうか」と付け加え、外国人記者たちを笑わせた。
また、本作の製作費が約2億8,000万円だと告げられると、会場の記者たちは「その予算でよくこれだけの映画を!」と仰天。原田監督が、実際の自宅など井上靖ゆかりの地における撮影許可が運よく出たことで、画面に深みを与えることができたと自負すると、「確かに偶然の運もありましたが、それは監督の実力だと思います」と樹木がねぎらう。さらに役所が「でも原田監督には運と知恵だけでなく、ふんだんな予算で(映画を)撮っていただきたいなと思っています」とエールを送っていた。(取材・文:壬生智裕)
映画『わが母の記』は4月28日より全国公開