カンヌ国際映画祭で正式上映決定!日本人監督が描いた東日本大震災に影響を受けたアメリカ家族の物語!
細井洋介監督の短編映画『五歳の大黒柱』(英題『Man of the House』)が、第65回カンヌ国際映画祭ショートフィルムコーナーで正式上映されることが明らかになった。ショートフィルムコーナーは、カンヌ国際映画祭が若手映画監督の作品紹介の場として設けられたセクション。昨年は米国で女優としても活躍している宮崎光代監督『TSUYAKO』が上映されていた。
昨年の宮崎監督の活躍を見て、「わたしも来年こそは」「少しでも日本の映画が世界に届けられるように」と映画を制作してきたという細井監督が手掛けた『五歳の大黒柱』は、東日本大震災に影響を受けたアメリカの家族の物語。東日本大震災が起こり、日本で働いていた父親は仲間を助けるため、アメリカで祖母と暮らす5歳の息子エディに「自分がいない間大黒柱としておばあちゃんを頼む」と伝え、日本に残ることを決める。大黒柱を任されたエディが落ち込むおばあちゃんを励まそうと奮闘するストーリーだ。
本作は、細井監督がアメリカ人の友人の家族の話から着想を得て制作した作品。「地震が起きたのは日本ですが、遠いアメリカにも精神または個人レベルでの影響はあり、そこにはスポットライトを当てるに値する物語があると感じました」と語るとおり、東日本大震災を違った視点から見つめたこの作品に仕上がっている。
高校卒業後渡米し、サンタモニカカレッジ、ビバリーヒルズ・プレイハウスなどで映画史、演劇を学び、2011年にニューヨーク市立大学映画学科を卒業した細井監督。在学中に監督した作品『クラブ・フィズ』はニューヨークのアジアン・アメリカン映画祭で受賞を果たしており、『五歳の大黒柱』は卒業制作としてメガホンを取った作品だった。
現在は、初長編映画に向けて企画を進行中だという細井監督は、本作について、「2005年に世界で通用する映画監督を志してアメリカへ渡ってから7年間、学校や現場で学び経験してきた学生最後の集大成です。日本が長期的に復興していく中で、この映画を通じて少しでも勇気や希望を与えられたらと願い制作いたしました」と語っている。(編集部・島村幸恵)