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UFCを目指した若き二人の選手を描いたドキュメンタリーが完成!ダスティン・ポアリエ選手は、いかにUFC選手になったのか?

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マイケル・タッカー監督
マイケル・タッカー監督

 UFC(Ultimate Fighting Championship=アメリカの総合格闘技大会)を目指す若きルイジアナ州南部の選手二人を描いた話題のドキュメンタリー作品『ファイトヴィル(原題) / Fightville』について、マイケル・タッカー監督が語った。

 同作は、治安の悪いルイジアナ州の南部で育った若者ダスティン・ポアリエとアルバート・スタインバックは、地元ルイジアナのMMA(Mixed Martial Arts)プロモーターであるジル・グイロリーとトレイナー、ティム・クレデュアのもとUFC選手になるために訓練をしていくが、一流の選手になるためにはあらゆる障害が待ち受けていたというドキュメンタリー作品。監督は、サンダンス映画祭で話題になったドキュメンタリー作品『ガーナー・パレス(原題) / Gunner Palace』のペトラ・エパーレインとマイケル・タッカーが共同でメガホンを取っている。

 これまで戦争を描いたドキュメンタリー映画を制作してきたマイケル監督が、総合格闘家に興味を示した理由は「兵士が訓練する過程と戦いに挑む姿勢が、撮影をする前は総合格闘家に似ていると思い興味を持ったが、撮影が終わってはっきりしたんだ。一つは戦争で、一つはスポーツに過ぎないことだ。それは、総合格闘技で流す血は副産物に過ぎず、それに選手の誰もが怒りや敵対心だけで戦ったりしない。ただ、勝つために勝負をしていることだった」と明かした。

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 映画内で、アマ(MMA)の選手がプロ(UFC)を目指して戦っているが、試合のためにダスティン・ポアリエ選手が行った減量について「彼の体重は約85キロくらいで、2、3か月でおよそ17~18キロ毎回痩せているんだ。試合3か月前からダイエットを始めて、1日わずか1,400~1,500キロカロリーしか摂取しないようにするんだよ。そして試合5週間前になると、100グラムのサーモンを食べていたね。彼は絶対に炭水化物を摂取していなかったし、サーモン、アボカド、生野菜などを少量摂取していた。それはまるで、寿司板にのせられた寿司ネタのような大きさだった」と語り、そんなダスティンのトレーニングだけでなく食事の決意が、現在プロのUFC選手として結びついたようだ。

 UFCのステージに立てないアルバート・スタインバックのような選手は、生活ができるのだろうか。「アルバートのようなアマチュアの選手は、おそらく1試合500~1,500ドルの稼ぎだ。もっともUFCの選手でも下位の方だと、2、3か月トレーニングしても、1試合5,000~6,000ドルくらいだ。一方ダスティンは、UFCにはその日の試合で一番素晴らしい決めワザで勝った選手にボーナスを渡すシステムがあって、ファイトマネーとそれを合わせると10万ドルくらい稼いでいた。だが、そんな彼も大けがをする可能性はあるし、それに彼のような選手は、多くのファイターの中でもほんの一握りだけだ……」と答えた。その後マイケルは、毎年何千ものドキュメンタリー作品が制作される中、わずか50作品くらいしか配給されないのと同じだとも話した。

 映画は、周りの環境や雑音に惑わされず、目指した世界に立ち向かっていく男と、障害にあって妥協していく男が対照的に描かれていて興味深いドキュメンタリーに仕上がっている。 (取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)

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