新作『バトルシップ』も寄せ付けず!『アベンジャーズ』会心の3週連続ナンバーワン!
全米ボックスオフィス考
新作の猛攻をかわし、映画『アベンジャーズ』が3週続けて全米映画ナンバーワンとなった。46パーセントの降下率だったとはいえ、 今週の興収は5,564万ドル(約44億5,120万円)。100の上映館を新作のために譲らなければならなかったにもかかわらず、今週末は映画『アバター』の打ち立てた封切り3週目興収記録に迫る勢いで、歴代2位の記録を打ち立てた。(1ドル80円計算)
このほかの記録として、歴代で総合収益4億5,000万ドル(約360億円)という巨額レベルに一番早く到達した映画は『ダークナイト』の封切り後27日だったが、『アベンジャーズ』は封切りから17日の5月20日時点でこの大台を超えており新記録を樹立。週末に『アベンジャーズ』がたたき出した収益は、何と映画『バトルシップ』を含むトップ10にランクインした新作3本の興収をトータルした数字に近く、新作陣のパワー不足が明らかになったと同時に『アベンジャーズ』の人気がいかにすごいかということを改めて再認識させられる結果となった。
今週第2位は、わが国の浅野忠信も大活躍の『バトルシップ』で2,553万ドル(約20億4,240万円)。日本ではすでに公開されているが、アメリカでは5月18日にようやく封切られた。残念ながらこの興収記録は玩具会社として有名なハズブロ社の商品がもとになっている映画『トランスフォーマー』シリーズや映画『G.I.ジョー』シリーズなどと比べるとかなり出だしが悪い。ここまでの強敵になるとは予想されていなかった『アベンジャーズ』と真っ向からの一騎打ちになってしまったことが、本作が伸び悩んだ要因と思われる。
代わって第3位は、こちらも新作でサシャ・バロン・コーエンが主演のお得意の風刺コメディー映画『ディクテーター 身元不明でニューヨーク』で1,744万ドル(約13億9,520万円)。同作のデビュー興収はこれまでのサシャ代表作の映画 『ボラット 栄光ナル国家カザフスタンのためのアメリカ文化学習』の2,646万ドル(約21億1,680万円)、そして映画『ブルーノ』の3,062万ドル(約24億4,960万円)のデビュー週末興収と比較するとやや低調なデビューであるが、サシャお得意のエグいジョーク満載風刺コメディーというジャンルからすれば、まあまあな結果といえるか。
第4位は、先週第2位からダウンしたジョニー・デップ主演映画『ダーク・シャドウ』で1,258万ドル(約10億640万円)。そして今週トップ5最後を飾るのは映画『ホワット・トゥー・エクスペクト・ホェン・ユー・アー・エクスペクティング(原題) / What to Expect When You're Expecting』で1,055万ドル(約8億4,400万円)。妊娠がテーマで、どう見ても女性をターゲットにした恋愛コメディーなのに、配給のライオンズゲートが男性向けのPRも行ったどっちつかずの宣伝作戦がかえって逆効果となり、初登場第5位という不本意な結果を招いたというのが業界内での分析である。
さて、いよいよ来週は『アベンジャーズ』の強敵となる映画『メン・イン・ブラック 3』が公開となる。ウィル・スミス演じるJが、トミー・リー・ジョーンズ演じるKの謎を調査するためタイムスリップするというあらすじで、若き日のKをジョシュ・ブローリンが怪演。作品の出来も上々で大きな期待を集めている映画のためトップ5入りはいうまでもなく、果たして『アベンジャーズ』の4週連続ナンバーワンを阻止できるかどうかが大きな見どころだ。(文・ロス取材: 明美・トスト/Akemi Tosto)