人口約800人の村民のほぼ全員が製作に携わった映画が、ロンドンでプレミア上映される!
イギリスのオックスフォードシャーにある人口約800人の小さな村、キングストン・バッグプイズの村民のほぼ全員が製作に携わった映画『トータス・イン・ラブ(原題) / Tortoise In Love』が、ロンドンの映画館街レスター・スクエアーでプレミア上映されたとBBCが報じた。
本作品は、村の住人で、今回が初脚本、初監督作品となるガイ・ブラウニングの声掛けにより、村人ほぼ全員が何らかの形で映画製作にかかわり、実現に至った。出資からキャストやエキストラ出演、ヘアメイクや小道具、車両まで、ありとあらゆる役割を住民たちが担ったそうだ。
ブラウニングがガーディアン紙に寄せた記事によれば、地元の婦人会がケータリングを担当し、6週間の撮影期間の間、60人ものスタッフキャストに食事を提供、中には一人で1000個ものミニケーキを焼いた女性もいたそう。プロのフィルムクルーに対し、10ポンド(約1,250円)から1000ポンド(約125,000円)のギャラを払うこともできたとのことだ。
地元の国会議員までセリフのある役でカメオ出演を果たしており、さらに、ウェブサイトhuffingtonpostによれば、地元の活性化に貢献し、村を観光地として宣伝する役目を果たすとして、環境・食糧・農村省から1万ポンド(約1,250,000円)の助成金が出たそうだ。(1ポンド=125円換算)
映画は、大きな家の庭師トムが、ポーランド人のオーペアガール、アーニャに恋するも、まったくアプローチできず、業を煮やした村の住民たちが一丸となって、トムの背中を後押しするというストーリー。
監督のアイディアとマーケティング、そして800人の住民たちの力を合わせる情熱と統率力が、大きく実を結んだのだろう。『トータス・イン・ラブ(原題)』は、ロンドンでのプレミアを終えた後は、イギリス国内で7月より公開、ニュージーランドやオーストラリアでの公開も決まっている。(鯨岡孝子)