セーラー服がまだまだ似合う鈴木杏、寺尾聰が手をギュッと握り「うちの長女によく似ている」
6日、渋谷のNHK放送センターで行われた土曜ドラマ「永遠の泉」完成試写会に出席した寺尾聰が、共演の鈴木杏の手をギュッと握り、親子役を務めた本作の撮影を振り返った。
本作は、写真家・藤原新也の短編小説「コスモスの影にはいつも誰かが隠れている」を原作に、夫婦の絆を描き出した人間ドラマ。病身の妻(奥貫薫)を殺害した容疑で逮捕された倉本(小日向文世)の国選弁護を引き受けた弁護士の山内(寺尾)が、倉本夫妻の事件当日の足取りを調べるため阿蘇山中に出掛け、そこで亡き妻・雅江(田中美佐子)との封印したはずの過去に直面するという物語だ。
鈴木が演じる山内の娘の百合は、仕事一筋で家庭を顧みない父に反発するという役柄だが、「寺尾さんはデフォルメした演技をせずにそこにストンといらっしゃる方で。だからわたしもストンとそこにいました。そこで生まれたものを(監督の)西谷(真一)さんが撮ってくれればいいと思って、安心して撮影していました」と述懐。寺尾はそんな鈴木の手をギュッと握りながら「少しずつ親子関係を積み上げていきました。言葉で言い表すのが難しいんですが、(二人のシーンは)とても心地よくて、とてもいいドラマに出演できたと思いました」と穏やかな笑顔で語った。
寺尾が「彼女は実の娘とほぼ同い年。うちの長女によく似ているんだよね。しかも僕が通っていた高校の後輩だった」と語る通り、お互いにどことなく親近感を抱いている様子の二人。「自然に演じるというけれども、台本に書かれたことを演じるというのは不自然なこと。結局はその人になれるかどうかということが自然に演じるということだと思う。杏ちゃんは特に勘のいい子なんで、そのまますっと呑み込んで、その場に自然に存在してくれた。(過去の回想シーンで着ている)セーラー服もまだまだ似合うし、すてきな女優さんになれると確信しているし、期待しています」。寺尾から絶賛された鈴木は「ありがとうございます。照れちゃう」とはにかんだ。(取材・文:壬生智裕)
土曜ドラマ「永遠の泉」は6月16日夜9時よりNHK総合で放送予定