ハリウッドの愛菜ちゃんや福くんは誰だ!? キュートさより聡明さがキメテの米子役事情
芦田愛菜や鈴木福など日本で空前の子役ブームが起きている中、最新のハリウッド子役事情に迫った。現在ハリウッドでは、オスカー俳優のトム・ハンクスとサンドラ・ブロックをうならせたという『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』の主人公に抜てきされた、トーマス・ホーンなどに注目が集まっている。
映画『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』フォトギャラリー
日本では「こども店長」として有名な加藤清史郎、テレビドラマ「マルモのおきて」の鈴木福、そして同作に出演し、天使のような笑顔と利発さで人気の芦田愛菜をはじめとする子役たちが、ドラマやバラエティーなどで幅広く活躍している。では、ショービズの本家ハリウッドはどうかというと、日本ほど子役に外見のキュートさを求めてはおらず、あくまでも演技力の高さがものをいう世界のようだ。
ハリウッドの有名子役といえば、映画『リアル・スティール』のダコタ・ゴヨや、すでに大人の女性に変貌を遂げ始めている『キック・アス』や『ダーク・シャドウ』のクロエ・グレース・モレッツ、姉のダコタ・ファニング同様に人気の『幸せへのキセキ』のエル・ファニングら豪華メンバーがそろっている。しかし演技力に関して言えば、新人ながらも『ものすごくうるさくて、ありえないほど近い』の主人公オスカーを演じたトーマスは高い評価を得ているようだ。劇中で彼の両親を演じたトム・ハンクスとサンドラ・ブロックが「彼はまさに天性の役者だ!」とインタビューに答える姿が、同作のDVD特典映像に記録されている。
監督のスティーヴン・ダルドリーは当初、繊細さと賢さ、そして911のテロで大好きな父親を失った悲しみを内に秘めた、複雑なキャラクターを演じる子役探しは至難の技だと考えていたという。しかし「きちんとした指導とその子に合った役さえあれば、彼らは素晴らしい演技をする」という監督とスタッフの信念の下、たまたまクイズ番組に出演していたトーマスに白羽の矢が立ち、出演が決まったそうだ。
実生活でもかなりの秀才だというトーマスは、なんと北京語も流ちょうに話せるのだとか。しかも演技力も天下の名優トム・ハンクスが「彼の顔のクローズアップシーンは最高!」と絶賛するほどずば抜けている。「オスカーのように感じ、オスカーのように泣く」ことを自分に課したという、恐るべき天才子役トーマス・ホーンこそ、今最も注目すべき俳優に違いない。(文:平野敦子)
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