B級映画の帝王ロジャー・コーマン、東京国際映画祭の審査委員長に決定!
10月に開催される第25回東京国際映画祭のコンペティション国際審査委員長に、「B級映画の帝王」とたたえられる、映画製作者で監督のロジャー・コーマンが決定した。映画祭事務局が12日に発表した。
コーマンといえば、60年近くのキャリアを通して、セックス、バイオレンス、アクション、怪物といった要素にあふれた、数多くの低予算娯楽作を量産し続けている人物。2009年には映画界への多大なる貢献が認められ、アカデミー賞名誉賞を受賞している。
低予算映画の王と東京国際映画祭という、意外に見えるこの組み合わせ。しかしコーマンは、その軌跡を追ったドキュメンタリー『コーマン帝国』出品に併せ、昨年の第24回映画祭に参加。また1994 年の同映画祭・京都大会でもヤングシネマ・コンペティションの審査委員長を務めるなど、映画祭とのゆかりは深い。
積極的に若者を起用し、マーティン・スコセッシ監督やジャック・ニコルソン、ロバート・デニーロなど、一線で活躍する映画人を輩出してきたコーマン。審査委員長の就任関して「最後に東京を訪れた時、(私の中で)アジアの映画界の全景が明らかになり、また、多くの将来性のある監督の存在に気づかされました。この度、東京国際映画祭の審査委員長として東京を訪れ、新しい才能を見出す興奮を再び体験することのできる幸運に恵まれました。今年は、これまでと同様に、新たなストーリーテラーたちに感銘を受け、刺激されることでしょう」とコメントしている。
海外にも目を向け、フランソワ・トリュフォー監督、フェデリコ・フェリーニ監督らの名作を米国配給するなど、コーマンの審美眼は確か。一体どのような作品が選ばれ、どんな新たな才能が発掘されるのか? 例年以上に、その審査結果が映画ファンに注目されることになりそうだ。(編集部・入倉功一)
第25回東京国際映画祭は10月20日~28日まで六本木ヒルズほかで開催