『グッドフェローズ』のモデル 元マフィアのヘンリー・ヒルさん死去
現地時間12日、巨匠マーティン・スコセッシが1990年に手掛けた『グッドフェローズ』の主人公のモデルとなった元マフィア、ヘンリー・ヒルさんが、ロサンゼルスの病院で亡くなったことわかった。享年69歳。Los Angeles Timesなど複数のメディアが報じている。
ヒルさんのガールフレンドの息子によると、彼は喫煙が原因の心臓疾患で亡くなったようだ。昨年も、心臓手術を受けていたという。
ヒルさんは、シチリア出身の母親とアイルランド出身の父親のもとで生まれた。少年期に父親が亡くなり、彼が兄弟と母親の面倒を見ることになる。そして、12歳のときにニューヨーク五大ファミリーの一つであるルッケーゼー一家のポーリー・ヴァリオの下、賭博業を手伝いマフィアの世界に入った。
その後、窃盗、恐喝などありとあらゆる犯罪に手を染め、1980年にルフトハンザ強奪事件(多額の宝石を窃盗した事件)によって逮捕された際に、アメリカ合衆国司法省と取引をし、情報提供者となった。
そんなヒルさんの数奇な人生が、作家ニコラス・ピレッジにより「ワイズガイ(原題) / Wiseguy」(邦題は「グッドフェローズ」)というノンフィクション本として出版され、彼自身も世間に知られることになる。同作は、マーティン・スコセッシ監督が映画化した『グッドフェローズ』の原作となっている。(細木信宏/Nobuhiro Hosoki)