『ロリータ』女優のドミニク・スウェイン、実は遺伝子工学の研究者を目指していた
映画『ロリータ』で衝撃的なデビューを飾った女優ドミニク・スウェインが、新作『ザ・ガール・フロム・ザ・ネイキッド・アイ(原題) / The Girl From the Naked Eye』と過去の作品、そして近況についても語った。
同作は、ジェイク(ジェイソン・イー)がエスコート・サービスの運転手をしていたある日、サンディ(サマンサ・ストリーツ)という高級娼婦と出会い恋に落ちるが、彼女は何者かによって銃殺されてしまう。そこでジェイクは、サンディが残した携帯をもとに犯人を追いつめていくというアクション作品。ドミニク・スウェインは、ジェイクが犯人を追跡する過程で出会う娼婦役アリッサを演じている。
ドミニクは、小さい頃から女優を目指していたのだろうか。「実は、小さい頃は遺伝子工学の研究者になりたかったの。ところがある日、わたしの兄とともに制作したビデオテープを、映画『ロリータ』のオーディションに送ったの」と答えた彼女は、もちろん受かるはずもないと思っていたそうだが「彼らはわたしを選んでくれたの。それ以来わたしの人生が変わってしまったわけ。でも、ある意味女優という職業がわたしを見出してくれたと思っているわ」と女優を通して自己探求をすることになったようだ。
十代半ばで『ロリータ』という難しい役に挑戦したために、学校でイジメられるようなことはなかったのか。「わたしはハリウッドの近郊に生まれ、そこでは若い頃に映画に出演していると、同級生の間ではクールなイメージをを持たれるような環境だったし、あの映画は撮影から公開されるまで3年も掛かっていたから、同級生がわたしの映画を観てどう思うかということは、実は何も考えなくてよかったの。それに、ウラジミール・ナボコフの原作やスタンリー・キューブリックの作品も知らない同級生たちが多かったから、そういう心配はしなかったわ」と話した彼女は、ナボコフの原作をその時すでに読んでいたために、オーディション用のテープを送ることを決意したそうだ。
今作で演じたキャラクターについては「アリッサという娼婦は、アクションの激しいこの作品の中で、唯一新鮮な空気を感じさせてくれる役なの」と答えた後、共演者については「わたしのシーンはほとんどアクションがなく、他の共演者も撮影中にトレーニングしていたために、共演者とあまり会話することができなかったのは残念だった。でも、デヴィッド・レン監督は限られた時間と予算の中で、多くのアクションシーンをこなさなければいけなかったにもかかわらず、まるで映画『フェイス/オフ』で仕事をしたジョン・ウー監督のように、彼はスムーズに撮影していたわ」と明かした。
最後に、現在の活動についてドミニクは「今俳優だけでなくいろいろなこともやっていて、わたしが初めてプロデュースするスリラー作品『ホールディング・ゴッド(原題) / Holding God』のためにカナダに行くことになっている」と教えてくれた。さらにアニメ作品も企画中だそうで、女優だけにこだわらずに今後は活動していくようだ。 (取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)