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福井地震から65年、東日本大震災追うドキュメンタリーを福井で上映

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映画『傍-かたわら 3月11日からの旅-』
映画『傍-かたわら 3月11日からの旅-』

 福井地震から65年を迎える28日に、福井県にある映画館テアトルサンクにて、伊勢真一監督が、東日本大震災で被災した友人のミュージシャン苫米地サトロさんを追ったドキュメンタリー映画『傍-かたわら 3月11日からの旅-』の上映会が開催される。

 これまで、『奈緒ちゃん』『風のかたち-小児がんと仲間たちの10年-』『大丈夫。-小児科医・細谷亮太のコトバ-』といったヒューマンドキュメンタリーを手掛けてきた伊勢監督。本作は、かつて自主上映会で出会い、『風のかたち-小児がんと仲間たちの10年-』で主題歌「満月」を頼んだ縁もある友人の苫米地さんの安否を気遣い、被災地に向かったことで、撮影が始まった。

 苫米地さんは、震災後の3月24日、余震による危険をいち早く伝えたいと宮城県亘理町役場前のプレハブ案内所に「FMあおぞら」を開局。毎月11日の月命日には、町内の津波で亡くなった方々の名前と年齢を読み上げた。震災の3日後に現地に入った伊勢監督は、その後もこの月命日の日には必ず現地を訪れ、苫米地さんの姿を追った。

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 また映画は、伊勢監督のもう一人の友人、小林麻里さんの姿も追う。小林さんが住んでいたのは、福島第一原発事故の影響で全村非難を余儀なくされた福島県飯舘村。映画では、福島の人が肌で感じた原発問題も浮き彫りになる。

 今回、福井での自主上映を行うのは、20年以上にわたり映画の自主上映会を主催してきたみに・キネマ・福井。映画の規模にとらわれない良質な作品のほか、『ナージャの村』『六ヶ所村ラプソディー』『祝(ほうり)の島』といった原発問題を扱った映画の上映会も行ってきた。代表の高橋忠榮さんは「あれ(福井地震)から68年、敗戦、震災、ジェーン台風と洪水……福井は不死鳥(フェニックス)の如く復興しました。東日本の被災地の人々の苦しみに少しでも寄り添えたらという思いで上映会を企画しました」と語っている。日本には、忘れられない、忘れてはいけない記憶がある。そんな思いが伝わる、今回の上映会の開催だ。(編集部・島村幸恵)

映画『傍-かたわら 3月11日からの旅-』は6月28日(木)13時30分、16時、19時、福井県テアトルサンク4にて上映(料金1,200円、東日本大震災の被災者の方は無料)
問い合わせ「みに・キネマ・福井」0776-24-5986(夜間は0776-36-5888)

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