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長年、名脇役として活躍してきたマーティン・ドノヴァンが監督デビュー!新作について語る!

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(左)デヴィッド・モース、(右)マーティン・ドノヴァン
(左)デヴィッド・モース、(右)マーティン・ドノヴァン

 映画『インソムニア』や『ザ・センチネル/陰謀の星条旗』などの映画作品だけでなく、テレビドラマ「デッド・ゾーン」や「ザ・ファーム 法律事務所」などでも活躍してきた名脇役のマーティン・ドノヴァンが、監督/脚本/主演に挑戦した新作『コラボレーター(原題) / Collaborator』について、共演者のデヴィッド・モースとともに語った。

 同作は、舞台作家のロバート(マーティン・ドノヴァン)は結婚生活がうまくいかず、仕事においても批評家からの評価は最悪だった。だがある日、実家に帰郷した際に隣に住む過去に殺人を犯した中年男ガス(デヴィッド・モース)と再会したことで、ロバートの人生が急きょ変わり始めていくというドラマ作品。

 長年俳優を務めてきたマーティン・ドノヴァンが、メガホンを取ることになった経緯について「僕自身は、若い頃は脚本家として鍛錬することや、監督としての頭脳を持ち合わせていなかったと思う。それが近年、ようやく(発想したことを)脚本としてまとめられることができるようになったんだ。でも、この映画はアメリカで製作することができなかった。僕が今住んでいるカナダだからこそできたんだ。アメリカではこのような映画には、なかなか投資してくれないからね。だから、企画から十年以上も掛かってしまったんだ」と話したマーティンは、一度脚本を執筆したことで、今では自分の考えていることをよく紙に記すようになったそうだ。

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 最初にマーティンの脚本を読んでみたデヴィッドは「まず、マーティンがこの役を最初に僕に依頼してきたことに驚いたんだ。確かに、この役ガスは危険な匂いのする男で、これまでも何度か僕はそういう役を演じてきたが、この映画のようにユーモアも持ち合わせている役は滅多に僕は演じることがなかったからね」と普段演じない役に挑戦して満足しているようだ。

 デヴィッド演じるガスは、50代であるにもかかわらず、いまだに母親と住んでいる大人になりきれない設定であることについてマーティンは「そういった大人はどこにでも居て、僕自身も4、5人そういう大人を見てきたんだ。実は、その大人になりきれない男の一人は、僕の実家の隣に住んでいた男で、この映画のように50歳ではなかったが、その男も母親と住んでいて、ある日ドラッグの常習者であった彼は銃を自宅で発砲したために、スワットチームに自宅を占拠されたことがあった。結局彼は、スワットチームが自宅に入る前に急性薬物過剰摂取で亡くなってしまったんだ……。そして、その男がデヴィッドが演じたガス役のベースにもなっているんだよ」と明かした。

 デヴィッド・モース演じるガスというキャラクターの興味深い点は「ガス自身は、自分のことを殺人者だと思っていないんだ。過去の殺人でさえも、手に負えない状況に陥ったのが理由だと思っている。もちろん、過去に殺人をして、今も銃も持っているが、自分を殺人者とみなさずに、スマートで面白く、良き話し相手だとも思っている」と語る通り、そのガスの狂気的な要素とユーモアのバランスが興味深いキャラクターにさせている。

 映画は、全く違った世界に生きる二人の男が、自分に足りないものを指摘し、お互いの世界感が変わっていく様を描いている。マーティン・ドノヴァンは、俳優だけでなく監督としての才能も開花させたようだ。 (取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)

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