MGMが『レイジング・ブル2』製作の差し止めを求め訴訟!
現在、アメリカ・ロサンゼルスで撮影中の『レイジング・ブル2』の製作差し止めを求め、「レイジング・ブル」の権利を保有するMGMが訴訟を起こしたことがDeadline.comら複数メディアによって明らかになった。
1980年の『レイジング・ブル』は、実在のボクサー、ジェイク・ラモッタの半生を描く伝記映画で、巨匠マーティン・スコセッシの監督作品でも代表作のひとつ。同作は、1970年に出版されたラモッタの回想録「レイジング・ブル:マイ・ストーリー(原題)/ Raging Bull: My Story」を基にしているが、ラモッタは1986年にその回想録の続編「レイジング・ブル2:コンティニュイング・ザ・ストーリー・オブ・ジェイク・ラモッタ(原題)/ Raging Bull II: Continuing the Story of Jalke La Motta」を出版しており、今回の映画版はこちらを下敷きにしている。
MGMは1980年の映画化にあたり、1978年当時の契約でその続編の映画化権も保有するという内容を含めており、今回製作しているRB IIプロダクションには映画化の権利はないとしている。これまでMGMは、これまで製作差し止めを要求してきたが、聞き入れられなかったため、今回、法的措置に出たという。
『レイジング・ブル2(原題)』には、マーティン・スコセッシ監督や主人公を演じたロバート・デ・ニーロ、前作のキャストやスタッフ、制作会社はかかわっておらず、原作者だけが共通している。ジェイク・ラモッタ役は、映画『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・アメリカ』のウィリアム・フォーサイスが引退後のラモッタ役を演じ、さらに若手俳優モジーン・アリアが初期の頃を演じている。このほかに、ジョー・マンテーニャ、ポール・ソルヴィーノ、ペネロープ・アン・ミラー等が出演しているようだ。監督は、マーティン・グイギュがメガホンを取り、脚本はラスタム・ブラナマンが執筆している。
すでに製作が開始されている本企画、どのような状況になるのか見守りたい。(後藤ゆかり)