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サンダンス映画祭グランプリ作品について主演の二人を直撃!

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(左)クヴェインゼイン・ワリス(右)ドワイト・ヘンリー
(左)クヴェインゼイン・ワリス(右)ドワイト・ヘンリー

 今年のサンダンス映画祭で最高賞であるドラマ部門の審査員グランプリ賞を獲得した話題の新作『ビースツ・オブ・ザ・サザン・ワイルド(原題) / Beasts of the Southern Wild』について、主演の二人、クヴェインゼイン・ワリスとドワイト・ヘンリーが語った。

 同作は、アメリカの南西部バイユー・コミュニティ(ルイジアナ州やミシシッピ州などの湖や河川近くに住む人々)で、病気にかかった父親ウインク(ドワイト・ヘンリー)と暮らす6歳の少女ハッシュパピー(クヴェインゼイン・ワリス)は、ある日ハリケーンに襲われ、川の水位が上昇したせいで家が水につかってしまう。そんな困難な状況に置かれたハッシュパピーは、音信不通の母親を捜しに出かけるというファンタジーなドラマ作品。監督は、今作が長編デビュー作となるベン・ゼイトリン。

 全く俳優経験のなかったドワイトがキャスティングされた経緯は、「ベン監督のキャスティング・スタジオが、僕が経営するベーカリーと道を挟んだ反対側にあったんだ。だから、彼らはよく僕のベーカリーに朝食をとりに来て座って話したり、新聞を読んだりしていたんだ。それに、たまに新作のオーディションの広告を僕の店に貼っていたこともあった。だから、僕もいつもオーディション参加してみたいと思っていたけれど、そんな時間はなかったんだ。ところがある日、この映画のプロデューサー、マイケル・ゴットワルドが店に来たときに、思い切って、この映画のオーディションを受けさせてくれと僕から頼んだことが出演するきっかけになったんだ」とドワイトは明かした。

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 また、ハッシュパピーというキャラクターについてクヴェインゼインは「ハッシュパピーは、父親の足跡をたどろうとうする勇敢な少女なの」と答えた。一方、ドワイトは「僕のキャラクターは、映画内では死期が近づいていて、力の限り世界中で一番大事な娘を守ろうとする。それで、自分が居なくなっても、この不安定な土地で生き残れる方法を娘に教えているんだ」と語り、さらにクヴェインゼインとの共演については「僕には2歳、4歳、6歳、7歳、9歳、そして11歳の6人の子どもが居るから、クヴェインゼインとの共演も問題なかったよ」と話してくれた。ちなみに、ほかにもこのドワイト演じるウインク役の候補が数人居たらしいが、クヴェインゼインが最終的にドワイトと一番波長が合うとして、彼を選考したそうだ。

 困難だったシーンと楽しかったシーンについてクヴェインゼインは「難しかったシーンは、わたしが段ボールの中に隠れているシーンと豚を触らなければいけなかったシーンなの。楽しかったシーンは叫んだり、ゲップをしたり、ほかのみんなとカニを食べたシーンだわ」と笑顔で答えた。

 映画は、視覚的に訴えかけてくる映像と圧倒的な自然の脅威を、小さな子どもの視点でファンタジーとして描いた秀作で、独自性を追求した至極の一本と言える作品に仕上がっている。最後に全く俳優経験のなかったクヴェインゼインは女優を続けたいと語り、一方ドワイトはまず本業のベーカリーをしっかり経営してから、たまに映画に出てみたいと話した。 (取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)

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