『ダークナイト ライジング』はディケンズの「二都物語」にインスピレーション!クリストファー・ノーラン監督が告白!
間もなくその全貌が明かされる映画『ダークナイト ライジング』のクリストファー・ノーラン監督は、シリーズの最終章となる本作のインスピレーションとなったのは、文豪チャールズ・ディケンズの「二都物語」だったと、ComingSoon.netの取材で明かしている。
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ノーラン監督の弟で、『ダークナイト ライジング』の共同脚本家の一人、ジョナサン・ノーランが、最初に400ページにもわたる脚本の草稿をあげてきたとき、「『二都物語』を思い浮かべると思うよ。もちろん読んでるよね」と言ったのに対し、「もちろん」と答えたノーラン監督は、実は読んだと思いこんでいただけで未読だったことに気付いたという。ノーラン監督は、「それから手に取り、読んで、絶対的に気に入った。ジョナサンの言っている意味がよくわかったよ。自分が手がけた脚本のドラフトは、『二都物語』ワールドそのものになったんだ」とコメントしている。
「二都物語」は1859年出版の小説で、フランス革命を背景に、同じ女性に恋をする、酒におぼれた弁護士とフランスの亡命貴族、二人の青年の生きざまが描かれている。時代の制約の中で、パリとロンドンという二都の間での軋轢(あつれき)に苦しみ、また、かなわぬ恋に苦しむ男たちの悲劇は、読む者の胸を切り裂かんばかりだ。
さらにノーラン監督は、「『二都物語』は僕にとって、フランス革命という時代に、れっきとした文明が小さな紙切れのように折りたたまれていってしまう様を痛切に描写したものだ。物事がどんどん悪い方向に進んでいく様子は、想像をはるかに超える」とコメントしており、どうやらそこに『ダークナイト ライジング』で描かれるゴッサム・シティの悲劇を重ね合わせたようだ。
日本では7月27日に先行上映、28日に公開となる『ダークナイト』シリーズ最終章、どうやら壮大な幕引きを迎えることになりそうだ。(鯨岡孝子)