津川雅彦、故・山田五十鈴さんをしのぶ「色気のある日本で最初の映画女優さんで、最後の映画女優さん」
11日、都内で舞台「男の花道」の稽古場会見が行われ、演出のマキノ雅彦(津川雅彦)、中村福助、中村梅雀、尾上松也、風間俊介が出席し、9日に95歳で死去した女優・山田五十鈴さんをしのんだ。
NHK大河ドラマ「葵 徳川三代」が最後の共演だったというマキノは、山田さんについて「母親役が多かったですが、恋人役もやりまして、いっぱいかわいがってもらいました」と懐かしそうに話すと「色気のある日本で最初の映画女優さんで、最後の映画女優さんじゃないかな。ああいう色気があって、あれだけの芸を持って、あれだけのゆったりとした雰囲気のある俳優さんはもう出てこないでしょうね」としのんだ。
また中村梅雀が、子どものころに家で飼っていた犬のスピッツが山田さんからのプレゼントだったことを明かせば、旧・東京宝塚劇場の大階段を東宝ゆかた会で一緒に降りたことがあったという中村福助も「一人うきうきなさっていたのを覚えています。出ていらっしゃるだけで花のある方で、いろいろと教えていただきましたし、優しい中にも厳しい方でした」と思い出話に花を咲かせた。
本作は、これまで講談や映画、舞台の題材に幾度となく取り上げられ、友情物語の代名詞と呼ばれる作品。歌舞伎以外の舞台出演は初めてという中村福助は「みなさんに刺激を受けて、すごく勉強になります」と新鮮な様子を語ると、中村梅雀が「福助さんは全然違和感がなくて、日々劇的に変わっていくので感動します」と大絶賛。すでに上演された大阪では大盛況だったといい、演出のマキノも「ぜひ男の友情をお楽しみにしていただきたいと思います」とアピールした。(取材・文:中村好伸)
舞台「男の花道」は7月12日~26日に東京・ル テアトル銀座 by PARCOで上演