ピクサー作品の邦題はどうやって決められているの?知られざる法則をディズニーが明かす
まもなく最新作の映画『メリダとおそろしの森』が公開されるディズニー / ピクサー。その作品の邦題には、ある共通点が存在する。1995年の映画『トイ・ストーリー』以降、基本的には原題をカタカナ表記にした邦題が付けられているが、人間が主人公の場合は例外的に原題とは異なる邦題が付けられているのだ。
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ディズニー / ピクサーの長編作品で原題とは異なる邦題が付けられているのは、『Mr.インクレディブル』(原題:The Incredibles)、『レミーのおいしいレストラン』(原題:Ratatouille)、『カールじいさんの空飛ぶ家』(原題:Up)、そして最新作『メリダとおそろしの森』(原題:Brave)の4作品。これらは、すべて人間が主人公になっている作品という共通点がある。
こうした法則が生まれた理由について、配給を務めるディズニーの担当者は「この4作品に共通するのは、原題とビジュアルを見ても映画の内容がイメージしづらいということです」と説明。『トイ・ストーリー』『モンスターズ・インク』といった作品は原題を見ただけで「オモチャのお話」「モンスターの会社」とイメージや興味が湧きやすく、また『ファインディング・ニモ』『ウォーリー』などはキャラクターの名前がそのままタイトルになっているので、ビジュアルを見たときに「この魚がニモか」とすぐわかるようになっているのだという。
だが、人間を主人公にした4作品の原題は違う。「『Up』は何がアップするのか? 『Brave』は何が勇気なのか? 抽象的でわかりにくいんです。なので、邦題を付けるときはキャラクター名や世界観を意識して、よりわかりやすく伝えられるように考えています」と担当者が明かしている通り、これら4作品の邦題には原題にはない主人公の名前が入っているのだ。
ピクサー作品で初めて人間の女性が主人公になった最新作もこの法則に基づき、よりわかりやすい『メリダとおそろしの森』というタイトルで日本公開される。作品の顔だからこそ、よりわかりやすく、興味を持ってもらえるようなものにしたい。映画タイトルには、そうした送り手側の願いが反映されているのだ。(編集部・福田麗)
映画『メリダとおそろしの森』は7月21日より全国公開