岩井俊二と坂本龍一、中山美穂主演の新作映画で強力タッグ!
6日、TOHOシネマズ 六本木ヒルズで8月10日まで開催される「坂本龍一 Selection スコラ映画祭」のトークショーに、約8年ぶりの劇映画『ヴァンパイア』が9月に日本公開される岩井俊二監督が坂本龍一と共に出席し、岩井がプロデュースし坂本が音楽を担当した『新しい靴を買わなくちゃ』や、映画音楽に対する思いについて語った。
岩井は『ヴァンパイア』で、脚本・監督・撮影・編集・プロデュースと共に音楽も担当。元々音楽へのこだわりは強いといい、「編集をロック(決定)してから音楽をつけることもあるけど、僕は逆にロックする前に音楽を作ってもらって、それに合わせて映像を再編集するようにしている。音楽を生かした方が楽しいですからね」と音楽に重点を置いた製作の裏側を明かす。
そんな岩井がプロデュースを務めた『新しい靴を買わなくちゃ』は、パリを舞台に、フリーライター・勅使河原アオイ(中山美穂)と、妹(桐谷美玲)に連れられパリやって来た青年・八神千(向井理)との12歳差の恋の行方を描くラブストーリー。
本作に音楽について、「ポップなラブストーリーではないので、つける音楽を間違えると非常にチープになってしまう恐れもあり、坂本さんにお願いしました」とオファーの経緯を明かした岩井。当初の不安を語りながらも「パリという観光都市を表現するにあたり、(坂本の音楽によって)観光的なものではなく、人の住む町としての深みが出て、映画がひと味変わったようでした」と大絶賛した。
一方、『戦場のメリークリスマス』『ラストエンペラー』など数々の映画音楽を担当し「音楽により映画の意味が変わる」と言う坂本は「中山さんがとてもデリケートな演技をされていて。作ったテーマ曲を当てはめると、自分でも不思議だけど、中山さんの今まで見えていなかった演技が見えきたんです」と作品についてコメント。「同じ映像でも、音楽を変えると見えてくるものがあるという経験が面白かったですね」と振り返っていた。(取材・文:中村好伸)
映画『ヴァンパイア』9月15日より公開
映画『新しい靴を買わなくちゃ』は10月6日より公開