河瀬直美プロデュース『祈-Inori』ロカルノ国際映画祭で受賞!新鋭監督部門最優秀グランプリ!
現地時間11日までスイスで開催されていた第65回ロカルノ国際映画祭で、映画『殯(もがり)の森』などの河瀬直美監督がプロデュースした映画『祈-Inori』が、新鋭監督部門の最優秀グランプリを受賞した。
本作は、メキシコ人監督ペドロ・ゴンサレス・ルビオがメガホンを取り、奈良・十津川村にある小さな集落を舞台にしたヒューマン・ドラマ。若者たちが街へ出て行き、少なくなった村人の生活などから「生命」の循環を直視する。「方丈記」が一つのモチーフとなり、120年前に十津川村を襲った大水害の記憶をたどりながらその地に生きる人々を映し出した力作だ。
昨年9月には紀伊半島大水害で奈良県南部が被害を受けたが、本作が撮影されたのは災害前。ルビオ監督は「僕たちの撮った十津川村神納川の風景はもう二度と帰らない。この作品をつくるという責任を強く感じ、編集に集中したい」と語っていた。
思いのこもった本作は、ヨーロッパ最古の同映画祭「Filmmakers of the Present Competition」(新鋭監督部門)で15作品の中から選ばれ、見事に最優秀グランプリを受賞。9月14日より開催される「なら国際映画祭2012」でオープニング上映されることも決まった。ルビオ監督は、2010年開催の第1回なら国際映画祭で「ゴールデンSHIKA賞」(最優秀グランプリ)を受賞したメキシコの新鋭監督でもある。(編集部・小松芙未)
映画『祈-Inori』は「なら国際映画祭2012」(9月14日~17日開催)でオープニング上映