人類学者トール・ヘイエルダールの実話を基にしたアドベンチャー大作上映!アカデミー賞を期待する声多数!
三池崇史監督の『十三人の刺客』や大島渚監督の『戦場のメリークリスマス』で知られる世界を股に掛けるプロデューサー、ジェレミー・トーマスが新たに手掛けたアドベンチャー大作『コンティキ(原題) / Kon-Tiki』が、ノルウェー・ハウゲスンで開催中の第40回ノルウェー国際映画祭でワールドプレミア上映された。
本作はノルウェーの人類学者トール・ヘイエルダールが、「ポリネシア人の起源は南米にある」という自身の論文を立証するため、1947年にペルーから南太平洋のツアモツ島まで約8,000キロを、いかだ船のコンティキ号で航海した実話を再現したもの。その模様を記録したドキュメンタリー映画は、1951年の米アカデミー賞で長編ドキュメンタリー賞を受賞している。
今回は、映画『ナチスが最も恐れた男』で世界的な注目を浴びたエスペン・サンドベリ&ヨアヒム・ローニング監督が再タッグを組み、ヘイエルダール役を同国の人気俳優ポール・スヴェーレ・ハーゲンが熱演。約2年の月日をかけて、ノルウェーはもちろん、マルタ共和国やタイなどでも撮影を行った力作だ。
18日に行われたワールドプレミアには、残念ながらトーマスの姿はなかったが、ヘイエルダールの忘れ形見である17歳の息子が駆け付けた。ノルウェー側のプロデューサー、アージ・アーベルグは「この映画はわたしたちにとって壮大なアドベンチャーで、今まさに世界への航海へこぎ出したばかり」と感慨深げに語っていた。
同作は8月24日のノルウェー公開に続き、9月6日からカナダで開催される第37回トロント国際映画祭への招待上映も決定。ノルウェー人の間では早くも、ドキュメンタリー版に続いて、米国アカデミー賞外国語作品賞を期待する声が上がっている。なお、ノルウェー国際映画祭で同作は観客賞を受賞しており、これから始まる賞レースへ向けて幸先の良いスタートを切ったといえるだろう。(取材・文:中山治美)
ノルウェー国際映画祭は23日まで開催