黒柳徹子、幻のチャップリン作品、世界初の劇場公開に大興奮!
15日、チャールズ・チャップリンの初期短編を完全デジタルリマスターした映画『チャップリン・ザ・ルーツ』の公開先行トークイベントが、オーディトリウム渋谷にて行われ、日本チャップリン協会名誉会長の黒柳徹子がチャップリンの思い出を語った。
日本チャップリン協会名誉会長を務める黒柳は、世界の喜劇王として語り継がれているチャップリンの特別な日に生で会って会話したという貴重な経験を持つ。「(ファシズム批判をした作品によって)アメリカを追われた彼が、1972年4月にニューヨークのリンカーンセンターに20年ぶりに来る機会があったんです。当時わたしは、NHKから依頼があり、チャップリンを取材に行ったんです」と当時を振り返る。
最初は遠くから、その様子を見るだけの予定だったが「一人でいるチャップリンを見かけたので、ガードマンに会いたいって直訴したんです。普通ならダメと言われるところだったのでしょうが、振袖を着ていたので、珍しいと思ったんでしょうね。どうぞって言ってくれて……。そうしたらチャップリンが『ジャパン』って言って涙を浮かべたんです。それから『キョート(京都)、ウカイ(鵜飼)、カブキ(歌舞伎)』って……」と興奮気味に話す。なんでもチャップリンの秘書を務めていた高野虎市さんが亡くなったばかりで、日本への特別な思いをもっていたのだという。そして「日本のみんなに愛していると伝えてください」というチャップリンの言葉を預かったと考え深げに黒柳は語った。
その後、2010年に発見されたチャップリンの幻の出演作『A Thief Catcher(泥棒を捕まえる人)』を生演奏を交えて鑑賞すると黒柳は「チャップリンほどハンサムでセクシーな俳優はいないですね。映像をよく理解した動きをする人。そして喜劇で権力と戦った偉大な人なんです、チャップリンは」と最大限の賛辞を送った。
本作は、チャップリン初期短編作品デジタルリマスター版と、2010年、96年ぶりに発見された幻の出演作『A Thief Catcher(泥棒を捕まえる人)』が世界初の劇場公開として上映、さらに羽佐間道夫、野沢雅子、山寺宏一ら人気声優による日本語吹き替え版など、ファンにはたまらない内容となっている。(磯部正和)
映画『チャップリン・ザ・ルーツ 傑作短編集・完全デジタルリマスター』は9月22日より銀座テアトルシネマ、オーディトリウム渋谷、シネ・リーブル梅田ほかにて公開