「ナチス」映画に「ヤマト」がチラリ登場?ガンダムの富野由悠季、『アイアン・スカイ』監督とニコ生対談!
15日、新作SF映画『アイアン・スカイ』を引っ提げ来日したティモ・ヴオレンソラ監督がインターネットの「ニコニコ生放送」でアニメーション監督の富野由悠季と対談し、「ガンダム」や「ヤマト」を観ていたと敬意をあらわす一方、「ナチス」を題材にした映画を完成させたいきさつを明かした。
月に隠れていたナチスが地球を侵略するという奇抜なストーリーの本作を観た富野監督は、「本来のSF映画はこういうものだ。スターウォーズ以後SFをとても大作に仕上げすぎてしまった。ハリウッドにできないものをよく作った。B級のつくりをなめてもらっちゃ困る」と大絶賛。一方のティモ監督は「6年かけて作り、まさにそれを目指していた」と自信たっぷりだったが、「富野作品はよく見ています」とのコメントに富野監督は「それだったらなんで最後にホワイトベースやヤマトが出てこないんだ」と突っ込んでいた。するとティモ監督は「信じてもらえないかもしれませんが、かげに隠れてヤマトを登場させた場面があったんです」と切り返し周囲を驚かせていた。だがそのシーンは結局、使われなかったとのこと。
また「よくナチスを題材にできたね」と感想を述べた富野監督にティモ監督は「資金集めから大変だった。ナチスを共産主義者に変えられないかとも要求された。俳優もなかなか決まらなかった」と苦労を明かした。ほかに製作費の一部はカンパで集められたことにちなんで、富野監督にその製作手法をすすめたところ「早く遺作つくれと言われているんだが、この年になってこんな方法は責任とれないからやりません」とキッパリだったが、「ガンプラ買えばカンパになりますか」との動画のカキコミには苦笑していた。
本作は第二次世界大戦後に月に隠れて第四帝国を築いていたナチス軍が地球を侵略しにやってくる奇想天外なSFアクション。(取材・文:池田敬輔)
映画『アイアン・スカイ』9月28日よりTOHOシネマズ六本木ヒルズほかにて全国公開