イラン政府、アカデミー賞をボイコットへ 反イスラム映像製作に抗議
イラン政府は現地時間24日、第85回アカデミー賞外国語映画賞への出品を取りやめることを正式に発表した。モハマド・ホセイニ文化・イスラム指導相は今回の措置について、アメリカでイスラム教預言者ムハンマドを侮辱した映像が制作されたことに対する抗議だとの声明を出している。
Tehran Timesほか複数のメディアによると、ホセイニ文化・イスラム指導相はケルマーンで開催された映画祭のオープニングセレモニーの席上で、アカデミー賞への出品取りやめを発表。同時に、他のイスラム圏の国々にもボイコットを呼び掛けていることを明かした。
第84回アカデミー賞ではアスガー・ファルハディ監督によるイラン映画『別離』が脚本賞と外国語映画賞にノミネートされ、見事外国語映画賞を受賞。イランには、現在『ライク・サムワン・イン・ラブ』が日本公開されているアッバス・キアロスタミ監督、『これは映画ではない』のジャファル・パナヒなどの監督がおり、映画ファンから注目されていた。
反イスラム映像をめぐっては、これをきっかけに反米デモがイスラム諸国で激化。アメリカ国内でも、映像に出演した女優が製作陣を訴えるなどの騒ぎに発展している。(編集部・福田麗)