『アバター』効果で3D強化宣言!『バイオハザードV』監督のアツ過ぎるこだわり
現在、大ヒット上映中の映画『バイオハザードV:リトリビューション』のアトラクションムービーとしての楽しさの秘密は、ポール・W・S・アンダーソン監督をはじめとしたスタッフによる3D、映像、音楽への熱いこだわりがあったようだ。
ジェームズ・キャメロン監督の『アバター』に衝撃を受けて以来、自分の作品に積極的に3Dを取り入れるようになったと公言するアンダーソン監督。彼が発表した『バイオハザード IV アフターライフ』『三銃士/王妃の首飾りとダ・ヴィンチの飛行船』といった作品は、そのハイクオリティーな3D映像でも話題を集めた。
かつて3D撮影用の機材といえば、カメラを2台重ねて撮影を行うという物理的理由から、大型で機動性の悪いものとされていたが、本作では『アメイジング・スパイダーマン』でも使用されているRed Epicというカメラを使った3Dカメラシステムを採用。このシステムは前作『バイオハザード IV アフターライフ』で使用したものの約半分の大きさとなり、機動性は大幅にアップ。チェーンを使ったミラ・ジョヴォヴィッチのバトルやカーチェイスといった激しいアクションシーンを3Dで撮影することが容易に。アトラクション的な飛び出す映像も交えた、躍動感あふれる3D映像が楽しめる。
そして音楽は『キリング・ゾーイ』『ヒルズ・ハブ・アイズ』など、これまで数々のアクション映画、ホラー映画を手掛けてきたトムアンドアンディが前作に引き続き担当。彼らが紡ぎ出すハードコアテクノを基調としたサウンドは、映画の中で描かれる世紀末的感覚に見事にマッチ。物語を壮大なスケールで彩っている。
さらに本作の見どころの一つとして、吹替え版声優の豪華さも挙げられる。シャーリーズ・セロン、ハル・ベリーなどの吹き替えで知られる本田貴子がアリスを、アンジェリーナ・ジョリーの吹替えなどで知られる湯屋敦子がジルを、そして「ヱヴァンゲリオン」シリーズの碇ゲンドウを演じた立木文彦が、同じ司令官キャラであるウェスカーを演じるなど、キャスティングも実にユニーク。字幕版を観たという人も、改めて3D吹替え版で見直してみるのも面白いのではないだろうか。(取材・文:壬生智裕)
映画『バイオハザードV:リトリビューション』は全国公開中