『インファナル・アフェア』との類似に反論!香港警察内部描く釜山映画祭オープニング作品
4日、第17回釜山国際映画祭(BIFF)にて、オープニング作品に選ばれた『コールド・ウォー(英題) / Cold War』の記者会見が行われた。
75の国と地域から、選りすぐりの映画ばかり304本が招待された第17回釜山国際映画祭(BIFF)。ワールドプレミアとしてオープニング作品に選ばれたのは、主演のレオン・カーフェイ、アーロン・クォックにくわえ、アンディ・ラウが友情出演するなど香港のトップスターが集結した『コールド・ウォー(英題)』だ。記者会見にはカーフェイとクォック、そして共同で監督を務めたサニー・ロック、ロングマン・レオンが出席し、記者たちの質問に答えた。
本作は、香港警察の出世競争とそれにまつわる警官拉致事件を描いたクリミナルアクション劇。香港警察内部が主な舞台となるだけに、『インファナル・アフェア』との類似性を指摘する質問も飛び出したが、「『インファナル・アフェア』は男同士の対立を見せる映画だけれど、『コールド・ウォー(英題)』は香港警察が抱える問題にフォーカスした映画」とカーフェイは一蹴。レオン監督も「警察は常に香港映画のメイントピック。だから新しい切り口を探すことに腐心した」と、あくまでも“亜流”ではないことを強調した。
一方、出演オファーを受けた当時はコンサート活動に忙しかったというクォックは、「脚本に惹(ひ)かれたので、コンサートのリハーサル時間を削ってでも出演したいと思いました」と述懐。さらに「自分よりも年代が上になるエリートの副署長役でもあり、レオン(・カーフェイ)に負けない風格を表現することが大きなチャレンジでした。レオンと対峙するシーンでは、いつも緊張していましたね」と続けた。
またロック、レオン両監督が共に新人であることに対して、カーフェイは「彼らは海外では無名かもしれないけど、香港の映画業界では名の知れたベテランです」とフォロー。クォックも「二人の監督は、俳優たちをとても信頼してくれました。監督と俳優の信頼関係こそが、映画の力になる」と語り、主演作の成功に自信をみなぎらせていた。(取材・文:柴田メグミ)