『96時間』最新作が2週連続ナンバーワン! -10月15日版
全米ボックスオフィス考
早くもアカデミー賞候補とうわさされているベン・アフレックの新作映画『アルゴ』をかわして2週連続トップの座を手にしたのは、リアーム・ニーソン主演の映画『96時間/リベンジ』だった。55.8パーセントの興収減となったものの2,187万ドル(約17億4,960万円)を記録した同作品は、これまでに8,613万ドル(約68億9,040万円)の興収をたたき出しており、1作目の『96時間』が出した同時期の記録に、およそ3,000万ドル(約24億円)も差をつけている。2週目に入っても、『アルゴ』を上回る上映館3,706館をキープしているというのも首位を維持する要因となった。(1ドル80円計算)
第2位は、初登場で前出のベン・アフレック監督・主演のサスペンス映画『アルゴ』。3,232館で封切られ1,946万ドル(約15億5,680万円)の興収を上げた本作は、アカデミー賞候補というだけでなく、監督賞、主演男優賞、作品賞のトリプル・クラウンすら狙えるとまでいわれるほど大層な評判である。週末にこの作品を観に来ていた観客の54パーセントが女性、そして年齢層は35歳以上が全体の74パーセントを占めるという結果が出た。映画ファンの批評サイトであるシネマスコアでは、A+という高成績が付けられており、これからも口コミで本作の人気は継続していく可能性が高い。
第3位は、イーサン・ホーク主演のホラー映画『シニスター(原題) / Sinister』の1,801万ドル(約14億4,080万円)。54パーセントが男性客、全体の53パーセントが25歳以下の観客層だった本作は、シネマスコアでC+の評価。この成績はホラー映画には珍しくないものの、公開後2週目の人気を大きく左右する要素となる。客足を持続させるためには成績がいいことに越したことはなく、特に映画『パラノーマル・アクティビティ 4』が封切られる今週末は、同ジャンルの映画『シニスター(原題) / Sinister』が苦戦を強いられることは明らかだ。
第4位は、先週第2位から36.3パーセント興収減となったアニメ映画『モンスター・ホテル』で1,724万ドル(約13億7,920万円)。10月14日時点で大台の1億ドル(約80億円)を突破している。このまま数字を伸ばせれば、今までのソニー・ピクチャーズ・アニメ興収ランキングでトップだった映画『スマーフ』の興収1億4,261万ドル(約114億880万円)を超える可能性が出てくる。
トップ5最後を飾ったのは、新作映画『ヒア・カムズ・ザ・ブーム(原題) / Here Comes the Boom』で1,182万ドル(約9億4,560万円)。ちなみに主演のケヴィン・ジェームズは、アメリカで高い人気を誇っていたコメディー番組の出身で、その後俳優に転向した人物である。
ここ数週間で、全米ボックスオフィスは1か月半ほど続いたどん底の状態から徐々に回復し、この2週間は活気を見せ、今週も上位12作品のトータル興収が1億ドル(約80億円)を超えた。また、去年の同時期と比べ興収が37パーセントも上昇しており、これをきっかけに下がることなく高い水準をキープしたいところ。
さて次回のランキング予想だが、トップ争いは今週トップだった『96時間/リベンジ』、そして第2位だったが、口コミでランクアップの可能性がある『アルゴ』、そして今週末封切りの人気ホラーシリーズ4作目となる映画『パラノーマル・アクティビティ 4』の三つどもえが予想される。『パラノーマル・アクティビティ 4』がトップになると断言できない理由は、ひょっとするとさすがのファンもシリーズ4作目となって飽きが生じてくるかもしれないからだ。一方で、ハロウィーン商戦も追い込みに入っているアメリカということもあり、怖がりたい映画ファンが劇場に押しかける可能性もある。(文・ロス取材: 明美・トスト/Akemi Tosto)