上映中止を求めた中国映画のスタッフ来日も会見には姿現さず…事務局長が政治介入にノー!
第25回東京国際映画祭
22日、第25回東京国際映画祭コンペティション部門に中国映画として唯一選出されている映画『風水』の撮影監督リウ・ヨウニエンが来日し、記者会見を行う予定だったが、急きょ出席を取り止める事態が起こった。本作は日本政府による沖縄県・尖閣諸島国有化を理由に製作チームが映画祭不参加を表明しており、今回の会見中止も含め、東京国際映画祭の都島信成事務局長が事態の説明にあたった。
当初予定されたワン・ジン監督、出演者の来日が中止となり、代わりに来日したリウ撮影監督であったが、「プロモーション活動は製作会社の許可がないとできない」との理由で会見を欠席。都島事務局長がリウ撮影監督のメッセージを代読し、「わたしは作品に関わったクルー、撮影監督として東京国際映画祭に来ました。大変申し訳ありませんが、マスコミの皆さんに映画スタッフや映画製作会社の代わりに発言することができません。ただ、この映画をご覧になる皆さんにこの映画を愛していただき、支持していただきたいと思います」とコメントを発表した。同撮影監督はこの後行われる『風水』の公式上映、Q&Aも同様の理由で欠席する。
会見に出席した都島事務局長は、製作サイドから19日の夕方に上映中止を求める連絡があったことを明かしたが、映画祭関係者が9月に上映に関する同意書を交わしており「同意書に基づき、映画祭の同意なしには上映をキャンセルできない」と判断の根拠を説明。同事務局長は22日と24日の『風水』の上映を予定通り行う意向で、「映画祭は文化交流の場であり政治を介入させることはあってはならない」と毅然とした態度で語った。(取材・文:長谷川亮)
第25回東京国際映画祭は10月28日まで六本木ヒルズほかにて開催