ホラーが旬の時期ならでは!全米トップに『パラノーマル・アクティビティ』最新作! -10月22日版
全米ボックスオフィス考
人気ホラーシリーズ第4弾となる映画『パラノーマル・アクティビティ 4』が、2,900万ドル(約23億2,000万円)の興収を上げて今週の全米映画ナンバーワンとなった。前作の映画『パラノーマル・アクティビティ 3』は、去年の10月に封切られ、デビュー週末に5,257万ドル(約42億560万円)をたたき出し歴代10月封切り作品の売り上げトップを誇っていて、4作目にもかなりの期待が寄せられてた。前作と前々作と比較するとかなり低い興収だが、大型封切り作品にしては冗談のような低予算の500万ドル(約4億円)で製作された作品であることを考えれば、出だしが2,900万ドル(約23億2,000万円)でも万々歳である。(1ドル80円計算)
『パラノーマル・アクティビティ 4』は3,412館で封切られ、そのうち286館はIMAX上映。観客調査では男女内訳は半々、全体の60パーセントが25歳以下という結果だった。残念ながらオンラインの映画批評サイト、シネマスコアではCというお粗末な成績が付いてしまったもののハリウッド界隈のうわさでは、来年10月のパート5の公開に向けてすでに動いているという話だ。製作費と興収の比率を見ればパート5どころか、あと数本は製作されてもおかしくないシリーズである。
先週に続いて第2位は、映画『アルゴ』で1,645万ドル(約13億1,600万円)。週末といえど、このタイプの映画が白昼にソールドアウトとなるのは珍しいことなのに、この週末も先週に引き続いて満員御礼の上映館が続出した。冬のホリデー・シーズン(11月、12月)以外に公開され、3,000館以上で上映されているアクション作品が公開2週目で15.5パーセントの落下率というのは前代未聞の好成績。先週末は、ベン・アフレックが主演・監督を務めた映画『ザ・タウン』に同時期の興収で遅れを取ったが、2週目に入っても少しの差でぴったりとつけている。
第3位は、リーアム・ニーソン主演の映画『96時間/リベンジ』で1,326万ドル(約10億6,080万円)。公開2週目にして1億ドル(約80億円)の大台を超え1億583万ドル(約84億6,640万円)の興収を記録し、まだまだその数字を伸ばし続けている。前作の興収1億4,500万ドル(約116億円)には現時点で及ばないにしても、1作目同様1億ドル(約80億円)を超える興収を上げていて、オンラインの映画コミュニティーでは『96時間』シリーズ3弾の製作に20世紀フォックスがゴーサインを出すのは時間の問題だろうといわれており、注目を浴びている。
第4位は、アニメ映画『モンスター・ホテル』の1,300万ドル(約10億4,000万円)。ハロウィーンも間近に迫り、作品にとってはまさに打ってつけの条件。封切りから1か月たっているにもかかわらず、落下率は24.6パーセントと快調な成績である。これまでに1億1,900万ドル(約95億2,000万円)の興収を上げ、ソニーのアニメ部門長者番付トップである映画『スマーフ』の興収1億4,261万ドル(114億880万円)にも追いつけ追い越せの勢いだ。
そしてトップ5最後は犯罪サスペンス映画『アレックス・クロス(原題) / Alex Cross』で1,140万ドル(約9億1,200万円)。マデアおばさんで有名なタイラー・ペリーが、人気小説家ジェームズ・パターソンの小説「刑事アレックス・クロス」シリーズに挑戦し、刑事を演じている。これまでにモーガン・フリーマンの主演などで映画化されているシリーズだが、今回タイラーが主演ということでかなりイメージが変わった感じを受ける。結果、残念ながらタイラー・ファンならびにパターソンの小説ファンからも敬遠されてしまったようだ……。
さて次回のチャート予想だが、かなりの混戦模様が予想される。トップに殴り込んできそうなのが、大ヒットした映画『マトリックス』シリーズの鬼才アンディ、ラナ・ウォシャウスキー姉弟久々の新作映画『クラウド アトラス』だ。トム・ハンクス、ハル・ベリー、スーザン・サランドンといった大スターをそろえ壮大なスケールで物語を構築する。そして、ハロウィーン気分も上昇する週末に公開されるホラー映画『サイレントヒル』の続編も見逃せない。2,800館から3,000館で封切られ、その上3D上映である。時期も時期だけに、この作品のトップ5入りはほぼ確実といえるだろう。(文・ロス取材: 明美・トスト/Akemi Tosto)