AKB48渡辺麻友、思春期の心の揺れを表現…憧れのアニメ主演への思い
これまで何度も映像化されてきた眉村卓の人気ジュブナイル小説を初めてアニメーション映画化した『ねらわれた学園』で。劇場版アニメ初主演声優を務めるAKB48の渡辺麻友が、本作への思いを語った。
もともとアニメ好きとして知られる渡辺だけに、主演声優としてオファーが来たときは「ホントにうれしかった」と語る。「アニメは大好きで、声優さんたちにも憧れていて、そういう仕事にもぜひ挑戦してみたいと思っていました。こういう大きな作品で主演させていただけるなんて、まさかという感じでした」。
演じるのは、ヒロインの中学生・ナツキ。「一見明るく元気な女の子で、自分の思いをちゃんと伝えられる強さも持っている。そこがすごく魅力的でしたね。それていで、いかにも女の子らしい繊細さもあって、声だけで演じるのはすごく難しかったですね」と渡辺。その言葉通り、ナツキは幼なじみである主人公・ケンジに対して微妙な思いを抱きながら、親友であるカホリとの関係、さらに学校に転校してくる謎の少年・京極の秘密に触れ、思春期の少女らしく心をかき乱されるさまを、リアルに演じている。
「どこにでもある学園生活が、謎めいた転校生の登場によっていろんな事件にのみ込まれていく。すごく引き込まれる物語でしたね。その中で揺れるナツキの思いを大切に演じました。もちろんそういう体験はしたことはないですけど、演じていて胸が苦しくなることもありましたね」とキャラクターに共感したことを明かした。
実際のアフレコ作業は「別録(ど)りで一人だった」という。「共演者の方たちはもう収録が終わっていて、わたしで最後でした。ヘッドホンで声を聞かせてもらいながら、それに合わせて。合わせるのはすごく難しくて。中村(亮介)監督からは作り込まずに自然な感じで演じてほしいと言われていたので、自分の感じるものに素直に向き合って、ナツキちゃんになりきって会話しているのをイメージしながらやりました」と役づくりの秘訣(ひけつ)を語る場面も。
アニメ好きの渡辺にとって、アニメは「子どものころに感じたワクワクする気持ちを忘れないようにさせてくれる」と語るほど思い入れのあるもの。「この作品もキャラクターは個性的で魅力的だし、ストーリーも甘酸っぱい恋も交えた青春ものだし、そこに超能力といったSFの要素もプラスされていますし。ワクワクするものがいっぱい詰まったアニメの魅力にあふれている作品ですよ」と作品への自信を感じさせる笑顔を見せた。(取材・文:永野寿彦)
映画『ねらわれた学園』は11月10日より全国公開