プレスリーの孫が助演に挑戦!
エルヴィス・プレスリーの孫が助演に挑戦している話題の新作『ジャック・アンド・ダイアン(原題) / Jack and Diane』について、ブラッドリー・ラスト・グレイ監督が語った。
同作は、10代の獣の血を引く少女ダイアン(ジュノー・テンプル)は、ある日ボーイッシュでロック好きの女の子ジャック(ライリー・キーオ)と出会って、お互い強く惹かれていく。だが、ダイアンが数週間後には海外に留学することになり、二人の関係が揺らぎ始めたときに、ダイアンは性的刺激を受ける度に獣の血が目覚め始めていくというドラマ作品。映画『エクスプローディング・ガール(原題) / The Exploding Girl』(日本未公開)のブラッドリー・ラスト・グレイがメガホンを取っている。
設定は現代だが、クラブの内装やジャックがカセットで音楽を聴く様子に、80年代の雰囲気が漂っていることについて、「もちろん、ジャックがカセットで曲を聴いているのは、レトロの格好良さからなんだ。実を言うと、このジャックのキャラクターのベースになったのは、あるガールズバンドのクリステンという女性で、この映画の音楽も担当している。以前ヨーロッパに住んでいたころ、アイスランド人のクリステンと会ったんだ。それが今回、偶然にニューヨークのグロサリーで、旅行に来ていた彼女と再会したんだよ。泊まる場所のなかった彼女に、僕の家に宿泊することを勧めたことで、ジャックのキャラが構成されていったんだ」と明かした。
エルヴィス・プレスリーの孫ライリー・キーオについて「実は当初、彼女の役を女優オリヴィア・サールビーが演じる予定だったんだ。彼女はスケジュールの都合で出演できず、僕らもフランスの撮影がすでに組まれていて、撮影を延期してオリヴィアを待つことができなかった。そこで1か月以内にほかの女優を探すことになって、何人か候補を挙げていたときに、ライリーが出演した映画『ランナウェイズ』を鑑賞して、彼女をオーディションしたんだ。彼女は、僕が会ったときはブロンドで、このキャラクターとは正反対だが、彼女の目力に惹かれて、彼女に決めたんだ」と語った。
この映画の魅力は「恋に落ちる瞬間と感情なんだ。普通、真のソウルメイトを見つけると、自分を相手に委ねることになるだろ。でも、主人公ダイアンのケースは、これが最初の恋であるため、親からあるいは友人から聞いていても、実際の恋というものがわかっていない。そのため、ダイアンにとっては最初に恋に落ちるのは確かに素晴らしいことだが、それと同時に繊細で、怯えてしまうことでもあるんだ」と述べた。
映画は、獣の血を引く少女がレズビアンのカップルとして、まるで恋をむさぼるように、ひと夏の恋に魂を注いでいく興味深い映画に仕上がっている。 (取材・文・細木信宏/Nobuhiro Hosoki)