デンゼル・ワシントン主演映画にバドワイザーが抗議! 作中での描かれ方が不満で…修正を要求
ロバート・ゼメキス監督の新作映画『フライト』が、ビール「バドワイザー」を作中に登場させたことで抗議を受けていることが明らかになった。同作は、一時は英雄として祭り上げられた旅客機パイロットが、後に運行前に飲酒していたことが発覚して非難されるというストーリーで、主人公の飲む酒の中に「バドワイザー」が含まれていることが問題視された形だ。
latimes.comによると、同作の配給を務めたパラマウント・ピクチャーズに抗議しているのは「バドワイザー」の製造元であるアンハイザー・ブッシュ・インベブ社。同社副社長のロバート・マッカーシーは「弊社では、責任のある飲酒や飲酒運転の防止を長い間促進してきた」と作中での描かれ方に不満を示すとともに、作中の「バドワイザー」の映像について、ブランド名が特定できないように修正することを要求。パラマウントは現在のところ、この件に関してコメントしていない。
同ウェブサイトは、作中に登場するアルコール類が「バドワイザー」だけでないことなどを根拠に訴訟に発展する可能性は低いと分析。また「こうした反応については多少行き過ぎなところがある」という専門家のコメントも併せて紹介している。
ロバート・ゼメキス監督の作品をめぐっては、トム・ハンクスふんする主人公が無人島でサバイバルを繰り広げる『キャスト・アウェイ』でも同様の事例が発生。物流サービス「フェデックス」のロゴを付けた航空機が墜落するという展開に「フェデックス」は当初眉をひそめたものの、このときは「作品全体では運送業を希望として描いている」との理由で、正式な抗議には至らなかった。
酒浸りの機長を演じた主演のデンゼル・ワシントンの演技が絶賛され、早くもアカデミー賞候補との呼び声も高い『フライト』。今回の抗議は、逆に言えばそれほどまでにリアリティーにあふれている作品だという証明かも? 日本公開は来年3月1日を予定している。(細木信宏/Nobuhiro Hosoki)