ダニエル・ラドクリフが語る「転機」…魔法使いの少年からの脱却
『ハリー・ポッター』シリーズ後初の主演映画『ウーマン・イン・ブラック 亡霊の館』で恐怖の連鎖に巻き込まれる、愛妻を亡くした子持ちの主人公を演じたダニエル・ラドクリフがインタビューに応じ、13年に及ぶ役者人生での転機や、新たなキャリアの幕開けになぜ本作を選んだのかを語った。
ダニエル・ラドクリフ主演最新作『ウーマン・イン・ブラック 亡霊の館』場面写真
10歳でショービズの世界に入り、その2年後には魔法使いのハリー・ポッターとしてスクリーンに登場し一躍世界的なスターとなったダニエルだが、本当の意味で役者を志したのは14歳のときだという。その時期は今でもダニエルにとって明確であるようで「シリーズ第3作『ハリー・ポッターとアズカバンの囚人』の半分と4分の3が過ぎたころ」ときっぱり言い切る。
「素晴らしい役者たちと働くことが僕にインスピレーションを与えてくれたんだけど、特にゲイリー・オールドマンの存在が大きいね」とシリウス・ブラックにふんした名優との共演がダニエルの演技に対する考え方を一変させたとのこと。「そのころからより良い演技をするためにどうすべきか真剣に考えるようになって、僕は本当に意識的に『アズカバンの囚人』に打ち込んだんだ」と明かす。
そして10年にわたる『ハリー・ポッター』シリーズで大役を果たしたダニエルが、新たなキャリアの幕開けに選んだのがこの英国ゴシックホラーだ。ダニエル自身「本当はホラー映画が苦手」と笑うことからもわかるように、彼が本作を選んだ理由は「みんなが僕が出ているのを見たいと思うような、今までとは全く違ったタイプの映画だったから」。その選択が功を奏し、映画は世界で1億2,773万ドル(約102億1,840万円)以上を稼ぎ出す大ヒット。見事に魔法使いの少年のイメージを払拭(ふっしょく)し、人気実力共に備わった俳優という評価を確立した。(数字はBox Office Mojo調べ・1ドル80円計算)
また、ダニエルが本作に出会ったのはシリーズ最終作『ハリー・ポッターと死の秘宝』のクランクアップから5時間もたたない飛行機の中だったといい、彼が役者として一瞬も立ち止まることがなかったことがうかがえる。「13年もこの仕事を続けてこられたのは、信じられないほどの幸運が続いたからだということはわかっている」と真摯(しんし)に語ることのできる彼の前途は明るいといえるだろう。シリーズ第1作『ハリー・ポッターと賢者の石』からちょうど11年後に公開される本作で、確かな足取りで新たなキャリアを歩み始めたダニエルの姿を確認してほしい。(編集部・市川遥)
映画『ウーマン・イン・ブラック 亡霊の館』は12月1日より新宿ピカデリーほか全国公開