注目の若手・小柳友、恋人を演じた石原さとみの女優魂を絶賛!
直木賞作家、道尾秀介の小説を映画化した『カラスの親指』に出演した小柳友が、役づくりや共演した阿部寛らとの撮影秘話などを語った。
本作はワケありな詐欺師コンビが、彼らの元にひょんなことから転がり込んだ姉妹と青年と共に一世一代の大勝負に挑むストーリー。小柳は、石原さとみふんするやひろの恋人、石屋貫太郎を演じている。「原作では、貫太郎のキャラクターがデブのマジシャンとあったので、少しでもそのイメージに近づけようと思って」と3か月で10キロも体重を増量。劇中ではすっかり丸々とした容貌で熱演している。
俳優として大先輩に当たる阿部との共演シーンでは、「まさに大きな体で、こちらの芝居を受け止めていただいたように思います」と明かす。恋人役の石原は「現場はもちろん、休憩中もずっと僕を役名の『貫ちゃーん』と呼んでいて、役に成り切る女優魂を感じました」と話す。
また村上ショージにはしょっちゅう笑わされていたとかで「友くん、笑いすぎやでと言われました」と言いながら、思い出し笑いも。だからこそ、作品を「全部見終わって、あっそういうことだったのかと、合点がいくところが多い。きっと、もう一回、観て確かめたくなるような。答え合わせをしたくなる作品です」と絶賛する。
今年は大河ドラマ「平清盛」や「ビギナーズ!」などにも出演。12月には初舞台「家康と按針」が控え、年を明けると、ロンドンでの公演もあるという。今の気分はと尋ねると、「ワクワク半分、恐怖でドキドキも半分」とざっくばらんに語る。「昔は、絶対にノーとは言わない、何でもできなければ役者じゃないと思っていました。でも、今は脚本プラスアルファの何かができる役者を目指したいと思っている」と小柳。憧れは古田新太や阿部サダヲ。コミカルな演技からシリアスまで幅広く演じられる役者たちの後を追って、夢を膨らませる彼の今後が楽しみだ。(取材・文:前田かおり)
映画『カラスの親指』は公開中