ジェット・リー『ドラゴンゲート』は武侠映画の完成版!“香港のスピルバーグ”が語る!
“香港のスピルバーグ”の異名を持つツイ・ハーク監督が、ジェット・リーと14年ぶりのコラボを実現させた最新作『ドラゴンゲート 空飛ぶ剣と幻の秘宝』は「新旧の武侠(ぶきょう)映画の要素をミックスした完成版」だと語った。
1967年に製作され、東南アジア全域で記録破りのヒットとなり、後に武侠(ぶきょう)映画ブームの火付け役となったキン・フー監督作『残酷ドラゴン・血斗!竜門の宿』。中学生のころに観たというハークも、その予測不可能な展開と斬新なワイヤーアクションに魅了された一人だった。
その後、『蜀山奇傅・天空の剣』(1984年)でワイヤーアクションのジャンルを確立させた彼は、1992年に『ドラゴン・イン』の脚本を書き、プロデュースも務めた。「敬愛するキン・フーからリメイク禁止と言われていたので、この映画は『残酷ドラゴン~』からインスピレーションを得て、自分なりの『残酷ドラゴン~』を作ったんです」とうれしそうに語る。
その『ドラゴン・イン』で、レオン・カーフェイが演じた剣士とマギー・チャンが演じた宿屋の女主人。ラストで離れ離れになった二人が、3年後に再会したら? ジェット・リーとジョウ・シュンにキャストを変え、そんなドラマチックな展開も用意し、再び『残酷ドラゴン~』の世界観を描いたのが『ドラゴンゲート』である。
本作でも、中身の入った丼を投げたのに、一滴もこぼさず着地したり、飛んできた弓矢をとっくりでキャッチし、跳ね返して逆に相手に刺したり、飛んできた小刀を箸で華麗にキャッチする『残酷ドラゴン~』のテイストをしっかり継承したあり得ないシーンが連発。さらに、『アバター』のスタッフを招き、自身初のデジタル3Dに挑戦。お約束のワイヤーアクションと最新技術との融合から、誰も観たことのない武侠(ぶきょう)映画を誕生させた。
「僕はやっぱり、キン・フーが大好きなんです」と語るハークは、『残酷ドラゴン~』初公開から約半世紀を経て、武侠(ぶきょう)映画の完成形といえる作品を作り上げたのである。(くれい響)
映画『ドラゴンゲート 空飛ぶ剣と幻の秘宝』は1月11日よりTOHOシネマズ 六本木ヒルズほか全国公開