勘九郎×七之助×獅童、故・中村勘三郎の遺志を継ぎ「赤坂大歌舞伎」上演!
歌舞伎役者の中村勘九郎、中村七之助、中村獅童が21日、都内で行われた中村勘九郎襲名記念「赤坂大歌舞伎」の製作発表会見に出席し、故・中村勘三郎さんが生前に演じた同作に挑む決意を明かした。
同舞台は、昨年12月に57歳で亡くなった勘三郎さんが2008年、2010年に赤坂ACTシアターで上演し好評を得た作品。今回は息子の勘九郎と七之助、さらに獅童も加わって新たな形で上演する。演目は「怪談乳房榎」。勘九郎は「歌舞伎が初めての人でも楽しめる作品になっています」と力強くアピールした。
さらに勘九郎は父・勘三郎さんが赤坂で上演した舞台を継ぐ心境について「父が切り開いてくれた道を、僕たちがどうするかにかかっていると思う。耕して豊かにするのかボロボロにするのか、その第一歩を、獅童さんをはじめ弟と一緒にやらせていただくのはすごく意味があると思います」と気持ちを引き締めた。
「怪談乳房榎」は勘三郎さんにとっても勘九郎・七之助兄弟にとっても子どものころからお気に入りの作品。勘九郎は「子どものころ、見終わった後にいつも父から『やりたいだろう?』と言われていたし、シャワールームでマネごともしていた作品なので、うれしい。あのころ、隆行(七之助)は磯貝浪江役だねとか話していたな」と父との思い出を懐かしんだ。
また獅童は、NHK大河ドラマに出演していることもあり、昨年、同舞台への出演依頼が来た際には多忙なため断っていたというが、勘九郎は「父のお通夜で獅童さんが『何が何でも出る』と言ってくださったのです」と獅童に感謝。獅童も「(勘三郎さんは)歌舞伎界で自分にとって父親のような存在で、愛すべき大先輩でした」と話し、3人で心をひとつに舞台に挑む決意を見せた。(取材・文:中村好伸)
中村勘九郎襲名記念「赤坂大歌舞伎」は3月8日から24日まで赤坂ACTシアターで上演