鉄拳、感動のパラパラ漫画は東日本大震災から生まれた!制作秘話を明かす
お笑い芸人の鉄拳が19日、新宿の吉本興業東京本社で行われた特別講義「鉄拳流クリエイティブ講座~パラパラ漫画制作と発想法~」の講師を務め、「パラパラ漫画」の誕生秘話を明かした。
鉄拳の「パラパラ漫画」といえば、2012年に「振り子」がテレビ番組内の企画で取り上げられたことをきっかけに、大きな話題に。その後「振り子」はYouTubeにアップロードされるやいなや動画の再生回数が300万回を突破し、さらに世界的ロックバンド・ミューズのミュージックビデオへの起用が決定。昨日には新作がNHK連続テレビ小説「あまちゃん」に起用されることが発表された。
今では感動作とのイメージが強い「パラパラ漫画」だが、ヒットする前については「カラオケボックスで吉幾三さんの『俺ら東京さ行ぐだ』の画面に流れる映像に使用したり、お笑いネタとして描いていました」という。しかし、東日本大震災により気持ちが一変。「震災後に何か自分でもできることはないかと思い、いろいろと仕事で困っている人がいる中で、みんなで頑張って作り直せばいいじゃないかと思って『ツナガル』には人と人がつながっていくシーンを入れました」と制作秘話を明かした。
また、「パラパラ漫画」がヒットするまでは芸人を辞めるつもりだったとも明かし「最初の『絆』を書いたら辞めようとマネージャーにも話していました。でも、放送が終わって反響がすごくて、『もうちょっとやってみたら』と言われて今も仕事が続いています」とファンに感謝した。
現在は「あまちゃん」の作品に奮闘中で、「まさかNHKさんから話がくるとは思っていなかったのでびっくり。昨年11月から取り掛かっているのですが、今までは内容も自分で作っていたので、クドカン(宮藤官九郎)さんの脚本で作品を作るのが楽しい」と充実している様子。“パラパラ漫画家”としての今後の展望を聞かれると「世界に向けて10分くらいの作品を作って、ショートムービーなどの賞に出品してみたい」と意気込んでいた。(取材・文:中村好伸)